監査論

監査報告論その2  (2020年11月29日・監査論)

短答式試験まで 174 日

論文式試験まで 263 日

監査上の主要な検討事項(KAM)

総論

  • 設定された理由:監査のプロセスの透明性の向上
  • 設定方法:監査人が監査役等とコミュニケーションを行う
  • 目的:透明性向上情報伝達手段としての価値向上
  • 効果:
    • 監査の品質を評価する新たな検討材料に
    • 財務諸表利用者と、経営者・監査役等との対話促進
    • 監査人と、監査役等・経営者との議論を活発化し、コーポレート・ガバナンスを強化と効果的な監査の実施につなげる
  • 監査報告書における位置づけ:情報提供機能の発揮適正意見とは明確に区別する必要あり)
  • 以下のいずれを意図するものではない:財務諸表の表示及び注記事項の代替、除外事項付意見の表明の代替、継続企業に関する重要な不確実性に関する報告の代替、個別の事項に対する意見表明

監査上の主要な検討事項の決定プロセス

  1. 監査役等とコミュニケーションを行った事項
  2. 特に注意を払った事項の決定:例えば、特別な検討を必要とするリスク重要な虚偽表示リスクが高いと評価された領域、経営者の重要な判断、重要な事象又は取引、監査計画の修正
  3. 特に重要と判断した事項の決定=KAM相対的に決定する、金額的及び質的重要性を考慮
    • 一つも存在しない場合もある
    • 当初決定された事項の数が多いほど、再度検討する必要性が高い

監査上の主要な検討事項の報告

  • 個々の監査上の主要な検討事項に適切な小見出しを付す
  • 記載事項
    • 標準化された記載事項2つ:①監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項であること②個別に意見を表明するものではないこと
    • 固有の情報4つ:①参照②内容③理由④監査人の対応
    • 監査人の対応:内容、概要、結果、主要な見解(留意事項:適正に完了していない印象を与えない汎用的・標準化された文言を避ける個別の事項に対する意見を表明しないという印象を与えない個別の事項に対する意見を表明しているという印象を与えない
  • 注意事項①:固有の情報を記載すること
  • 注意事項②:未公表の情報を不適切に提供することを避ける
  • 報告しない場合:法令等による禁止不利益が非常に大きく公共の利益を上回る
  • 「監査上の主要な検討事項」」区分自体を設けていはいけない場合:監査意見を表明しない場合(一方、追記情報は意見不表明でもできる)
  • 「監査上の主要な検討事項」」区分に掲載してはいけない場合:除外事項付意見を表明する原因となる事項、継続企業の前提に関する重要な不確実性に関する事項
  • 上場企業の監査において、報告すべき監査上の主要な検討事項がないと判断することはまれ

KAMに関するその他の事項

  • 監査役等とのコミュニケーションをしなければならない(KAMを決定するプロセス、決定した事項、ないと判断したとき)
  • 文書化:決定の根拠、なかったときはその根拠、報告しないと判断したときのその根拠
    • 注意:注意を払った事項としなかったものは文書化しなくてよい
  • KAMの適用範囲:金融商品取引法に基づいて開示を行っている企業(会社法監査は対象外)

追記情報

総論

  • 種類:強調事項その他の事項
  • 監査人の意見と追記情報は明確に区別する
  • 強調事項とその他の事項は明確に区分する
  • 記載箇所:相対的重要性で決まる
    • 適用される財務報告の枠組みに関連する場合:監査意見の根拠区分の直下
  • 監査役等とのコミュニケーションをしなければならない
  • 全てが追記情報として記載されるわけではない

強調事項

  • 4条件を満たす場合は設けなければならない
    • 1.財務諸表に表示又は開示
    • 2.重要
    • 3.強調事項に関連して除外付意見を表明する必要がない
    • 4.監査上の主要な検討事項に該当しない
  • KAMでもあり、強調事項でもある場合:KAMに記載
    • 強調事項に設けることが要求されている場合:両方に記載
  • 監査人の意見に影響を及ぼすものではないことを記載する(その他の事項の場合は不要)
  • 具体例
    • 正当な理由による会計方針の変更等正当な理由自体は掲載する必要なし。考慮事項(変化に対応、適切に反映、財務報告の枠組みに照らして妥当、利益操作ではない、当該事業年度に変更することが妥当)を総合的に勘案
    • 重要な偶発事象:引当金が計上されているものは必要なし。注記しているもので重要なもの。
    • 重要な偶発事象決算日の翌日から監査報告書作成日の開示後発事象

その他の事項

  • 4条件を満たす場合は設けなければならない
    • 1.財務諸表に表示又は開示されていない
    • 2.重要
    • 3.記載することが禁止されていない
    • 4.監査上の主要な検討事項に該当しない
  • KAMでもあり、強調事項に設けることが要求されている場合:両方に記載
  • 具体例:
    • 財務諸表の表示とその他の記載内容との重要な相違
    • 利害関係の記載

今日やったこと

  • 監査論(監査報告論のKAM、追記事項)
  • 財務会計論(計算)の資本連結の練習問題
  • 管理会計論の答案練習

明日やること

  • 監査論の続き(監査報告論)
  • 財務会計論(理論)の減損会計の復習
  • 管理会計論の復習