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論文式試験まで 382 日
目次
非償却性資産に係る未実現利益(成果連結)
考え方
- 非償却性資産の具体例:土地
- 解き方:棚卸資産に係る未実現利益の消去とほとんど同じ
- 注意:棚卸資産の場合、利益は翌期に実現することが前提だったが、非償却性資産の場合、利益の実現は売却時である。
ダウンストリーム
- 売却時:固定資産売却益 XXX / 土地 XXX
- 前期以前に売却している場合:利益剰余金ー当期首残高 XXX / 土地 XXX
- 売却損が出ている場合は逆の仕訳
アップストリーム
- 売却時:固定資産売却益 XXX / 土地 XXX
非支配株主持分ー当期変動額 XXX / 非支配株主に帰属する当期純損益 XXX - 前期以前に売却している場合:利益剰余金ー当期首残高 XXX / 土地 XXX
非支配株主持分ー当期首残高 XXX / 利益剰余金ー当期首残高 XXX - 売却損が出ている場合は逆の仕訳
償却性資産に係る未実現利益(成果連結)
考え方
- 償却性資産の具体例:建物
- 解き方:非償却性資産に係る未実現利益と同様の処理に加え、毎期の減価償却によって、徐々に利益が実現する。
- 注意:毎期に減価償却費の修正額は、残存価額をしっかり考慮すること
ダウンストリーム
- 当期に売却したとき:
- 未実現利益の消去:固定資産売却益 XXX / 建物 XXX
- 減価償却費の修正:減価償却累計額 XXX / 減価償却費 XXX
- 前期以前に売却している場合:
- 未実現損益の消去:利益剰余金ー当期首残高 XXX / 建物 XXX
- 前期の減価償却費の修正:減価償却累計額 XXX / 利益剰余金ー当期首残高 XXX
- 当期の減価償却費の修正:減価償却累計額 XXX / 減価償却費 XXX
- 外部に売却したとき:一気に未実現利益を解消する
- 売却損が出ている場合:逆の仕訳を行う
アップストリーム
- 当期に売却したとき:
- 未実現利益の消去:固定資産売却益 XXX / 建物 XXX
非支配株主持分ー当期変動額 XXX / 非支配株主に帰属する当期純損益 XXX - 減価償却費の修正:減価償却累計額 XXX / 減価償却費 XXX
非支配株主に帰属する当期純損益 XXX / 非支配株主持分ー当期変動額 XXX
- 未実現利益の消去:固定資産売却益 XXX / 建物 XXX
- 前期以前に売却している場合:
- 未実現損益の消去:利益剰余金ー当期首残高 XXX / 建物 XXX
非支配株主持分ー当期首残高 XXX / 利益剰余金ー当期首残高 XXX - 前期の減価償却費の修正:減価償却累計額 XXX / 利益剰余金ー当期首残高 XXX
利益剰余金ー当期首残高 XXX / 非支配株主持分ー当期首残高 XXX - 当期の減価償却費の修正:減価償却累計額 XXX / 減価償却費 XXX
非支配株主に帰属する当期純損益 XXX / 非支配株主持分ー当期変動額 XXX - 外部に売却したとき:一気に未実現利益を解消し、それに伴い、非支配株主にも利益を按分する
- 未実現損益の消去:利益剰余金ー当期首残高 XXX / 建物 XXX
- 売却損が出ている場合:逆の仕訳を行う
債権・債務の相殺消去に伴う貸倒引当金の修正(成果連結)
考え方
- 債権・債務の相殺消去を行った場合、その額に応じて個別上の貸倒引当金設定額と連結上の貸倒引当金設定額に違いが生まれる
- その分、貸倒引当金を消去し、貸倒引当金繰入額を減少させなければいけない
- 注意:前期の発生差額と、当期の発生差額を求め、当期首の利益剰余金に影響する額と当期の利益に影響する額に振り分ける必要がある。
ダウンストリーム
- 貸倒引当金の修正
貸倒引当金 XXX / 利益剰余金ー当期首残高 XXX
貸倒引当金繰入額 XXX
アップストリーム
- 貸倒引当金の修正
貸倒引当金 XXX / 利益剰余金ー当期首残高 XXX
貸倒引当金繰入額 XXX - 利益の非支配株主持分への按分
利益剰余金ー当期首残高 XXX / 非支配株主持分ー当期首残高 XXX
非支配株主に帰属する当期純損益 XXX / 非支配株主持分ー当期変動額 XXX
その他有価証券差額金の取扱い(資本連結)
考え方
- 取得時:通常の剰余金と同様に扱う
- 取得後:取得後の変動額は、親会社のその他有価証券評価差額金と非支配株主持分に持分比率で按分する
- 解き方:タイムテーブルに、その他有価証券評価差額金を追加する
子会社が新株予約権を計上している場合(資本連結)
- 一切加味せず、そのまま B/S に計上
- つまり、負債や資産と同じように処理すればよい
子会社の間接所有(資本連結)
3種類
- 子会社を通じた間接所有のみ
- 直接所有+子会社を通じた間接所有
- 緊密者を通じた間接所有
考え方
- 孫会社(以上)の場合、利益が2回(以上)非支配株主持分に按分される
評価差額が実現した場合取り扱い(資本連結)
考え方
- 子会社株式取得時に計上された評価差額は、売却時・減価償却時に解消されていく(個別と連結の差がなくなる)
- 子会社株式の追加取得・一部売却が行われたとき:追加取得・一部売却をした期の評価差額を元に算定すればよい
非償却資産の場合
- 売却時に評価差額をすべて解消する
- 土地売却益 XXX / 土地 XXX
- 土地売却益の解消分、非支配株主に帰属する当期純損益を減らす(非支配株主持分ー当期変動額 XXX / 非支配株主に帰属する当期純損益)
償却資産の場合
- 残存耐用年数に渡り、徐々に評価差額を解消する
- 減価償却費 XXX / 減価償却費累計額 XXX
- 減価償却費の増加分、非支配株主に帰属する当期純損益を減らす(非支配株主持分ー当期変動額 XXX / 非支配株主に帰属する当期純損益)
- 売却時は一気に解消
- 注意:減価償却費の増加分は、残存価額を考慮すること
棚卸資産の場合
- 評価差額の対象となる棚卸資産を企業集団外部に売却した時点で実現する(通常翌期)
- 売上原価を修正する
- 売上原価 XXX / 商品 XXX
- 売上原価の増加分、当期純利益が減少するので、非支配株主に帰属する当期純損益を減らす(非支配株主持分ー当期変動額 XXX / 非支配株主に帰属する当期純損
予想される問題
- 非償却性資産の未実現利益・償却性資産の未実現利益・債権債務の貸倒引当金の未実現損益の問題
- その他有価証券評価差額金・新株予約権・間接所有・評価差額の資本連結の問題
今日やったこと
- 成果連結の続きの論点
- 資本連結の続きの論点
- 復習
明日やること
- 成果連結の練習問題
- 資本連結の練習問題
- 連結会計の続きの論点