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目次
会計上の見積りの変更
総論
- 従来よりも会計上の見積もりの監査が重要視される理由:重要な虚偽表示リスクが高くなることが多いから
- 経営者の見積もりに基づく要素が増えた
- 会計上の見積もりは、経営者の主観的な判断により行われ、不確実性を利用し不正な財務報告の意図を持って恣意的な見積もりを行う虞がある。(固有リスク)
- 有効な内部統制の確立が困難なことが多い(統制リスク)
- 証明力の強い監査証拠を入手することが一般に困難
- 用語の定義
- 見積もりの不確実性:正確に測定することができないという性質に影響される程度
- 経営者の偏向:経営者の中立性の欠如。意図的ではないものも含まれる。勘定項目ごとではなく、複数の項目を総括的に検討する
- 監査人の責任
- 会計上の見積もりの合理性
- 開示の妥当性
- 会計上の見積もりの性質
- 財務諸表作成時点において経営者の主観的な判断によって行われる
- 見積もりの不確実性の程度が高い→重要な虚偽表示リスクが高い
- 測定方法の種類:公正価値、公正価値以外
会計上の見積もりに関する理解(リスク評価手続)
- 適用される財務報告の枠組み
- 経営者が見積もりが必要となる取引、事象及び状況を把握する方法
- 経営者が見積もりを行う方法とその基礎データ
- 測定方法
- 内部統制
- 経営者による専門家の利用
- 仮定(重要な仮定は開示対象)
- 前年度からの変更、変更の必要性、その理由
- 不確実性の大きさの評価と方法
- 前年度の財務諸表に計上されている会計上の見積もりの確定額等の検討
- 検討方法:確定額又は再見積額
- 目的:当年度の見積もりの合理性を確かめるために実施するもの。過年度の判断を問題にしている訳ではない
- 効果:経営者の偏向をしる
- 見積もりの金額が大きいことは、必ずしも重要な虚偽表示リスクが大きいことを意味しない
監査手続の立案・実施(リスク対応手続)
- 判断する事項
- 適用される財務報告の枠組み
- 見積もり方法の適切性と継続性
- 変更の適切性
- 具体的な監査手続(一つ又は複数実施)
- 1.後発事象:十分かつ適切な監査証拠を入手可能
- 2.見積もり方法とその基礎データを検討
- 3.内部統制の運用評価手続
- 4.監査人の見積額又は許容範囲を設定:重要な虚偽表示リスクが高い場合に特に有効。許容範囲は手続実施上の重要性以下である必要がある。
- 専門的な技能又は知識の必要性の検討
- 特別な検討を必要とするリスクに対応する実証手続
- 追加で評価すべき事項:不確実性の検討過程、重要な仮定の合理性、特定の行動方針を実行する経営者の意思とその能力
十分かつ適切な監査証拠を入手したかの評価
- 判断する事項
- 適用される財務報告の枠組みに照らして合理的であるか
- 虚偽表示があるか
- 虚偽表示の決定
- 監査人の見積額の場合:差額
- 監査人の許容範囲の場合:最小の差額
- 経営者の偏向が存在するかの検討:全体で評価する。
- 経営者確認書:認識又は開示されていない会計上の見積もりも、重要な仮定が合理的であるか判断しているかについて、経営者確認書を入手する必要あり。
監査調書
- 監査調書とは:実施した監査手続、入手した関連する監査証拠及び監査人が到達した結論の記録をいい、通常、紙媒体、電子媒体等で記録される
- 経験豊富な監査人:監査実務の経験を有し、相当程度理解している者
- 監査調書に含まれるもの、含まれないもの
- 監査調書の要件:
- 1.監査報告書を発行するための基礎を得たことを示す
- 2.監査の基準及び適用される法令等に準拠して監査計画を策定し監査を実施したことを示す証拠
- 監査調書の作成目的(6つある)
- 監査調書の作成時期:適時に
- 監査調書作成時の留意点:
- 経験豊富な監査人が、以前に当該監査に関与していなくとも理解できるように。
- 全てを文書化する必要はない
- 文書化する必要があるもの:重要な事項(例:特別な検討を必要とする事項)、監査手続の種類・時期・範囲、査閲、経営者・監査役等との協議、矛盾した情報、要求事項に代替する手続の実施、監査報告書日後の著しく重要な事象又は状況
- 監査ファイルの最終的な整理:監査報告書日から60日程度
- 保存期間:10年が目安
- 監査調書の所有権:監査事務所の所有に属する
今日やったこと
- 監査論(監査実施論の会計上の見積りの変更、監査調書)
- 監査論の答案練習
- 財務会計論(計算)の未実現利益の復習
明日やること
- 監査論の続き
- 管理会計論の費目別計算の練習問題
- 財務会計論(計算)の練習問題