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目次
経営者確認書
総論
- 質問の方法:書面
- 理由:より厳密に検討することを経営者に促し、経営者の陳述の質が高まる
- 経営者確認書の入手時期:監査の終了時に限るものではない、適宜行う
- 経営者確認書の定義:
- 目的:①特定の事項を確認するため②他の監査証拠を裏付けるため
- 誰が誰に:経営者が監査人に提出する書面による陳述
- 経営者確認書の性質:監査証拠である。ただ、経営者確認書だけでは十分かつ適切な監査証拠を入手したことにはならない。監査人が入手しなければならない他の監査証拠の種類や範囲には影響を及ぼさない。ただ、当該事項をより厳密に検討することを経営者に促すことにより、経営者の陳述の質が高まる。
- 経営者確認書の要請先:最高経営責任者(CEO)、最高財務責任者(CFO)
- 経営者確認書の宛先:監査人
- 経営者確認書の日付:通常、監査報告書の日付
- 監査役等とのコミュニケーション:経営者確認書の草案について、監査役等とコミュニケーションを行わなければならない
経営者確認書の確認事項
- 財務諸表の作成責任
- 監査人に提供される情報の網羅性及び取引の網羅性についての責任
- その他の事項(例:後発事象)
経営者確認書の信頼性の疑義・確認が得られない場合
- 信頼性への疑義がある場合:経営者の陳述の信頼性と監査証拠全体の証明力に及ぼす影響を判断
- 他の監査証拠と矛盾がある場合:経営者の陳述の信頼性と監査証拠全体の証明力に及ぼす影響を判断、監査契約の解除を考慮することあり
- 信頼性がないと判断した場合:
- 経営者の責任に関する事項:意見を表明してはならない
- その他の確認事項監査意見に及ぼす影響を判断
- 確認が得られない場合
- 経営者の責任に関する事項:意見を表明してはならない
- その他の確認事項:経営者と協議、経営者の陳述の信頼性と監査証拠全体の証明力に及ぼす影響を判断、監査意見に及ぼす影響を判断
特定項目の監査証拠
棚卸資産
- 棚卸資産が重要である場合において実施すべき事項:実在性と状態について
- 1.実務的に不可能でない限り、実地棚卸の立会を行う
- 2.最終的な在庫記録が実際の実地棚卸結果を正確に反映しているか
- 監査人が棚卸原簿に訪問する目的
- 1.経営者の指示と手続の評価
- 2.観察
- 3.実査
- 4.テスト・カウント
- 立会の留意点:カット・オフ情報の入手
- 期末日以外の日に実地棚卸が実施される場合:追加の監査手続(ロール・フォワード手続)が必要
- 予期しない事態により実地棚卸の立会をすることができない場合:代替的な日に立会を実施
- 立会を実施することが実務的に不可能な場合:代替的な監査手続を実施
- 第三者が管理している棚卸資産:確認、適切な他の手続きを実施の一つ又は両方
訴訟事件等の網羅性
- 訴訟事件の考えられる手続:偶発事象として開示、又は引当金として計上
- 訴訟事件を識別するための監査手続:質問、閲覧、法律関連費用の検討
- 訴訟事件を識別した場合の監査人の対応:顧問弁護士と直接コミュニケーション。(経営者によって作成され監査人によって発送)
- 対象となる訴訟事件:監査報告書日までの訴訟事件等の状況
- 経営者確認書の入手
項目別監査手続
- 売上高:期間帰属(先行計上・繰延をカット・オフ手続により検証)、翌期の大量返品の確認
- 売上原価:発生(分析的手続)
- 売掛金:実在性(得意先に対して確認、決算日以降の入金状況を検討)、評価の妥当性(年齢調べ、得意先の財務状況の把握、決算日以降の入金状況の検討)
- 現金預金:実在性(手許現金は実査、預金先に対して確認)
- 棚卸資産:実在性(手許有高は立会、外部保管在庫は確認)
- 有形固定資産:評価の妥当性(減損処理、有休・未稼働資産)
- 事例問題対策:誰に、何のために(監査要点)、どのような(監査手続)を実施するか。
- 6つの監査要点:実在性、網羅性、権利と義務の帰属、評価の妥当性、期間帰属、表示及び注記
- 8個の監査手続:質問、分析的手続、記録や文書の閲覧(証憑突合、帳簿突合)、有形資産の実査、観察(立会含む)、確認、再計算、再実施
監査報告論総論
総論
- 監査報告の意義:
- 財務諸表に対する監査人の意見を表明する書類
- 監査人が自己の意見に関する責任を正式に認める書類
- 自己の意見を形成するに足る基礎が得られないときは、意見を表明してはならない
- 監査報告書の本質:
- 意見報告書説(オピニオンレポート):日本はこっち
- 情報報告書説(インフォメーションレポート)
- 監査報告書の種類:短文式監査報告書、長文式監査報告書
- 長文式監査報告書が用いられるときの問題点:理解しづらい、利害関係者に様々な誤解を与える可能性が高まる、監査人の責任の範囲が不明瞭になる
- 監査報告書の様式:一貫性がある
- 意見を形成するに当たって判断する事項:全体として重要な虚偽表示がないということについての合理的な保証を得たかどうか
監査人の適正性の判断基準
- 継続的に適用されているか:企業の事業内容及び企業内外の経営環境に重要な変化があるか否かを検討
- 会計事象や取引の実態を適切に反映するものであるか(実質的な判断)
- 表示方法が適切であるか
- 表示の基準に準拠しているか
- 財務諸表が全体として適切に表示されているか否かについての一歩離れて行う評価・俯瞰的な評価(準拠性に関する意見の場合には必要なし)
監査人の実質的な判断
- 適用される財務報告の枠組みに規定されている会計事象や取引の場合:実態を適切に反映しているか判断
- 適用される財務報告の枠組みに規定されていない会計事象や取引の場合:自己の判断で財務諸表の適正性を評価
監査報告書の掲載区分
- 監査基準の規定に載っている記載区分:監査人の意見、意見の証拠、経営者及び監査役等の責任、監査人の責任
- 記載順序は確定:監査人の意見、意見の証拠
- 相対的な重要性に基づいて順序決定:経営者及び監査役等の責任、監査人の責任、継続企業の前提に関する重要な不確実性(必要な場合)、監査上の主要な検討事項、利害関係の記載
今日やったこと
- 監査論(監査実施論の経営者確認書、特定項目の監査証拠)
- 財務会計論(計算)の資本連結(負の資本剰余金、子会社の増資)の論点
- 管理会計論(製造間接費)の練習問題
明日やること
- 監査論の続き(監査報告論)
- 財務会計論(計算)の連結会計
- 財務会計論(理論)の復習