短答式試験まで 180 日
論文式試験まで 269 日
目次
監査の過程で識別した虚偽表示の評価
総論
- 識別した虚偽表示の集計:明らかに僅少なものを除き、集計しなければならない。
- 明らかに僅少とは:「重要性がない」ということではない。金額的・質的に明らかに些細であるということ。疑義があってはならない
- 虚偽表示の分類:確定した虚偽表示、判断による虚偽表示、推定による虚偽表示
- 虚偽表示の検討:以下の場合は、監査計画を変更する必要があるかどうか判断する必要がある
- 他の虚偽表示が存在する可能性を示唆している(虚偽表示は単発的に発生するとは限らない)
- 虚偽表示の合計が重要性の基準値に近づいている場合
- 虚偽表示に関する経営者とのコミュニケーション
- 全ての虚偽表示について、適切な段階の経営者に適時に報告する(指導的機能の発揮)
- 修正することに同意しない場合、理由を把握した上で、全体としての財務諸表に重要な虚偽表示がないかどうかを評価する
- 未修正の虚偽表示が財務諸表に及ぼす影響の評価方法:
- 考え方:金額的重要性、質的重要性、過年度の未修正の虚偽表示
- 定性的な注記事項:関連する注記事項及び財務諸表全体に及ぼす影響を検討
- 相殺の可否:通常相殺できない。できる場合もある
- 勘定科目等の分類:重要性の基準値を上回っていても重要でないと判断する場合あり
- 質的重要性が高いと判断されるものの具体例:法令遵守に影響を与える、借入に係る財務制限条項に影響を与える、財務指標の比率に影響を与える、経営者の報酬を増加させる、業績見込みに照らして重要、必要な開示(注記)がされていない。
- 監査役等とのコミュニケーション:未修正の虚偽表示は監査役等に報告しなければならない。重要な虚偽表示については明示し、過年度の虚偽表示も含む。
- 経営者確認書:未修正の虚偽表示は、要約を経営者確認書に記載又は添付。全体としての財務諸表に対して重要性がないかと判断しているかどうか記載することを求めなければならない。
監査計画
概要
- 監査の基本的な方針の策定
- リスク評価手続の計画(詳細な監査計画)の作成
- リスク評価手続の実施
- 重要な虚偽表示リスクの識別・暫定的評価
- リスク評価手続きの計画(詳細な監査計画)の作成
- リスク対応手続の実施
- 監査計画の修正
監査計画の意義と性質
- 監査を効率的かつ効果的に実施するため
- 連続的かつ反復的なプロセス
- 弾力的なもの
監査計画に関するその他の事項
- 参加者:監査責任者と監査チームの主要メンバー
- 監査の基本的な方針:詳細な監査計画を作成するための指針となる。監査の基本的な方針と詳細な監査計画は、別個又は前後関係が明確なプロセスなわけではなく、相互に密接に関連する
- 詳細な監査計画:監査手続の種類、時期、及び範囲を含む
- 作成時期:リスク評価手続の計画は初期の段階、リスク対応手続の計画はリスク評価続きの結果に基づき作成
- 詳細な監査計画で決定する事項の具体例:種類、時期及び範囲
- 監査期間中の監査計画の修正:
- 1.予期しない出来事が生じた場合
- 2.状況が変化した場合
- 3.監査手続の実施結果が想定した結果と異なった場合
- 監査契約に係る予備的な活動:毎年実施しなければならない
- 監査計画の文書化:監査調書に記載しなければならない
- 監査計画に係る経営者とのディスカッション:することがあるが、監査の有効性を損なわないための配慮が必要。監査計画後、監査の範囲とその実施時期の概要についての経営者とのディスカッションは行わなければならない。
- 初年度監査:継続監査よりも計画活動を広く実施することがある
内部統制
平成14年改訂
- リスク・アプローチを採用する場合、統制リスクの評価が監査の成否の鍵になる
- 統制リスクの抑制は、内部統制の整備が不可欠なので、経営者は内部統制の充実を図り、監査人は内部統制の改善を促すことが望ましい
内部統制の目的
- 業務の有効性と効率性
- 財務報告の信頼性
- 事業活動に関わる法令等の遵守
- 資産の保全
- 注意:互いに独立して存在するものではなく、相互に密接に関連している
内部統制の6つの基本的要素
- 統制環境:組織の気風を決定。規律と枠組みを提供。最も重要な基本的要素
- リスクの評価と対応:全社的なリスクと業務プロセスのリスク
- 統制活動:防止的統制活動と発見的統制活動がある
- 情報と伝達
- モニタリング:評価、報告、是正。日常的モニタリングと独立的評価がある
- ITへの対応:必ずしも独立に存在するものではない
- 監査に関連する内部統制:財務諸表の信頼性を確保する目的に関係している内部統制
内部統制に関するその他の事項
- 内部統制の保証水準:固有の限界があるので合理的な保証を得る
- 内部統制を遂行する者:組織内の全ての者
- 内部統制の変更の必要性:常に変動し、見直される
- 内部統制を充実させることの効果:開示企業を含めた全ての市場参加者に多大な利益をもたらす
内部統制の限界
- 判断の誤り、不注意、複数の担当者による共謀
- 当初想定していなかった組織内外の環境の変化や非定型的な取引等
- 費用と便益の比較衡量
- 経営者が不当な目的の為に無いう統制を無効化する
内部統制に関係する者
- 経営者:内部統制を整備及び運用
- 取締役会:監督責任、統制環境の一部
- 監査役等:監視、検証。統制環境の一部
- 内部監査人:モニタリングの一環
重要な虚偽表示リスクの識別と評価
平成17年の改訂(事業上のリスク等を重視したリスク・アプローチ)
- 事業上のリスク等を考慮:重要な虚偽表示は、経営者の関与から生ずる可能性が相対的に高くなっているので、リスク評価の対象を広げ、事業上のリスクを考慮することとした。
- 「財務諸表全体」及び「財務諸表項目」の二つのレベル:いままでは、監査人は自らの視野や関心を、財務諸表項目に狭めてしまう傾向や、重要な虚偽表示をもたらす要因の検討が不十分になる傾向があったので、監査人の視野を広げた。
- 「結合した」重要な虚偽表示リスクの評価:原則として、固有リスクと統制リスクとを結合した「重要な虚偽表示リスク」を評価することとした。理由は、実際には複合的な状態で存在することが多いこと、固有リスクと統制リスクを別々に評価することは発見リスクの水準を決定するという目的に重要ではないこと、リスク評価が形式的になり発見リスクの水準の正確な判断ができなくなるおそれがあることがある。
- 「特別な検討を必要とするリスク」への対応
今日やったこと
- 監査論(監査実施論の虚偽表示の評価、監査計画、内部統制、重要な虚偽表示リスクの評価)
- 財務会計論(計算)の連結会計の復習
明日やること
- 監査論の続き
- 管理会計論の復習
- 企業法の復習
- 財務会計論(計算)のキャッシュ・フロー計算書の復習