短答式試験まで 186 日
論文式試験まで 275 日
目次
監査の計画及び実施における重要性
- 重要性の基準値:財務諸表全体において重要であると判断する虚偽表示の金額
- 重要性の判断:個別に又は集計すると、当該財務諸表の利用者の経済的意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合
- 虚偽表示の金額(金額的影響)又は内容(質的影響)に影響を受ける
内部統制
平成14年改訂
- リスク・アプローチを採用する場合、統制リスクの評価が監査の成否の鍵になる
- 統制リスクの抑制は、内部統制の整備が不可欠なので、経営者は内部統制の充実を図り、監査人は内部統制の改善を促すことが望ましい
内部統制の目的
- 業務の有効性と効率性
- 財務報告の信頼性
- 事業活動に関わる法令等の遵守
- 資産の保全
内部統制の6つの基本的要素
- 統制環境:組織の気風を決定。規律と枠組みを提供。最も重要な基本的要素
- リスクの評価と対応
- 統制活動:防止的統制活動と発見的統制活動がある
- 情報と伝達
- モニタリング:評価、報告、是正。日常的モニタリングと独立的評価がある
- ITへの対応:必ずしも独立に存在するものではない
内部統制に関するその他の事項
- 内部統制の保証水準:固有の限界があるので合理的な保証を得る
- 内部統制を遂行する者:組織内の全ての者
- 内部統制の変更の必要性:常に変動し、見直される
- 内部統制の4つの目的の関係:相互に密接に関連
- 監査に関連する内部統制:財務諸表の信頼性を確保する目的に関係している内部統制
- 内部統制を充実させることの効果:開示企業を含めた全ての市場参加者に多大な利益をもたらす
内部統制の限界
- 判断の誤り、不注意、複数の担当者による共謀
- 当初想定していなかった組織内外の環境の変化や非定型的な取引等
- 費用と便益の比較衡量
- 経営者が不当な目的の為に無いう統制を無効化する
内部統制に関係する者
- 経営者:内部統制を整備及び運用
- 取締役会:監督責任、統制環境の一部
- 監査役等:監視、検証。統制環境の一部
- 内部監査人:モニタリングの一環
リスク・アプローチと監査リスク
リスク・アプローチに基づく監査とは
- 重要な虚偽の表示が生じる可能性が高い事項について重点的に監査の人員や時間を充てることにより、監査を効果的かつ効率的なものとする
- 各リスクの評価が大事であり、経営者等とのディスカッションが有効
リスク・アプローチの概要
- 監査リスクとは:監査人が、財務諸表の重要な虚偽表示を看過して誤った意見を形成する可能性
- 監査リスクの決定:所与
- 監査人は、監査リスクを許容可能な低い水準に抑える(=所与)
- 監査リスクの構成要素:監査リスク=重要な虚偽表示リスク×発見リスク
- 重要な虚偽表示リスク=固有リスク×統制リスク
- 重要な虚偽表示リスク:誤謬または不正による、企業側のリスク。評価することはできるが、直接変動させることはできない
- 固有リスク:関連する内部統制が存在していないとの仮定
- 統制リスク:企業の内部統制によって防止又は発見・是正されないリスク
- 固有の限界:統制リスクは常に存在する
- 発見リスク:監査手続を実施してもなお発見できないリスク
- 固有の原価が存在するので、零にはできない
- 発見リスクと重要な虚偽表示リスクの関係
- 内部統制が有効な場合:重要な虚偽表示リスクは低い→発見リスクは高くてよい→実証手続は簡略的でよい→効率的
- 内部統制が脆弱な場合:重要な虚偽表示リスクは高い→発見リスクは低い必要あり→実証手続は重点的にする必要あり→効果的
- 監査人の対応:監査手続の有効性を高める(実証手続の種類、実施時期、範囲)
- 重要な虚偽表示リスクの評価と発見リスクの決定は、監査人の職業的専門家としての判断に基づく
十分かつ適切な監査手続を入手するための監査手続
- リスク評価手続
- 全般的な対応
- リスク対応手続
- 運用評価手続
- 実証手続
監査計画
概要
- 監査の基本的な方針の策定
- リスク評価手続の計画(詳細な監査計画)の作成
- リスク評価手続の実施
- 重要な虚偽表示リスクの識別・暫定的評価
- リスク評価手続きの計画(詳細な監査計画)の作成
- リスク対応手続の実施
- 監査計画の修正
監査計画の意義と性質
- 監査を効率的かつ効果的に実施するため
- 連続的かつ反復的なプロセス
- 弾力的なもの
監査計画に関するその他の事項
- 参加者:監査責任者と監査チームの主要メンバー
- 監査の基本的な方針:詳細な監査計画を作成するための指針となる。監査の基本的な方針と詳細な監査計画は、別個又は前後関係が明確なプロセスなわけではなく、相互に密接に関連する
- 詳細な監査計画:監査手続の種類、時期、及び範囲を含む
- 作成時期:リスク評価手続の計画は初期の段階、リスク対応手続の計画はリスク評価続きの結果に基づき作成
- 詳細な監査計画で決定する事項の具体例:種類、時期及び範囲
- 監査期間中の監査計画の修正:
- 1.予期しない出来事が生じた場合
- 2.状況が変化した場合
- 3.監査手続の実施結果が想定した結果と異なった場合
監査調書
- 監査調書とは:実施した監査手続、入手した関連する監査証拠及び監査人が到達した結論の記録をいい、通常、紙媒体、電子媒体等で記録される
- 経験豊富な監査人:監査実務の経験を有し、相当程度理解している者
- 監査調書の要件:
- 1.監査報告書を発行するための基礎を得たことを示す
- 2.監査の基準及び適用される法令等に準拠して監査計画を策定し監査を実施したことを示す証拠
- 監査調書の作成目的(6つある)
- 監査調書の作成時期:適時に
- 監査調書作成時の留意点:経験豊富な監査人が、以前に当該監査に関与していなくとも理解できるように
経営者確認書
- 質問の方法:書面
- 理由:より厳密に検討することを経営者に促し、経営者の陳述の質が高まる
- 経営者確認書の入手時期:監査の終了時に限るものではない、適宜行う
- 経営者確認書の定義:経営者が監査人に提出する書面による陳述
- 経営者確認書の性質:監査証拠である。ただ、経営者確認書だけでは十分かつ適切な監査証拠を入手したことにはならない。監査人が入手しなければならない他の監査証拠の種類や範囲には影響を及ぼさない
- 経営者確認書の要請先:最高経営責任者(CEO)、最高財務責任者(CFO)
- 経営者確認書の宛先:監査人
適用される財務報告の枠組み
- 作成目的の相違による
- 一般目的の財務報告の枠組み:広範囲の利用者のニーズを満たす、汎用性のある枠組み
- 特別目的の財務報告の枠組み:特定の利用者のニーズを満たす
- 注意:どちらに当たるかは適用した財務報告の枠組みによって決まり、提出先で決まるわけではない
- 要求事項の相違による
- 適正表示の枠組み:要求されている事項の遵守が要求され、かつ、以下のいずれか(1.明示的又は黙示的開示 2.明示的に認められた離脱)を満たす財務報告の枠組み
- 準拠性の枠組み:要求される事項の遵守が要求されるだけ
今日やったこと
- 監査論入門(重要性、内部統制、リスク・アプローチ、監査計画、監査調書、経営者確認書、財務報告の枠組み)
- 財務会計論(計算)の一株あたり情報、工事契約、減損
明日やること
- 監査論入門の続き
- 監査論の論点
- 財務会計論(理論)の復習