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目次
原価企画(続き、原価管理)
原価企画の逆機能
- 設計担当者の疲弊
- サプライヤーの疲弊
- 品質の低下
- 組織内のコンフリクト
目標原価の考え方と逆機能現象
- 目標原価を必須と考える:逆機能現象発生
- 目標原価を努力目標・挑戦目標と考える:逆機能現象が起こりにくくなる
原価企画におけるサプライヤー関係
承認図メーカー | 貸与図メーカー | |
---|---|---|
開発者 | サプライヤー | 完成品メーカー |
部品設計コスト | (完成品メーカー側にとって)発生しない | (完成品メーカー側にとって)発生する |
開発リードタイム | 短縮可能 | 長期化しがち |
複数発注 | 不可 | 可能 |
- 複数発注の利点:馴れ合い、サプライヤー側の契約不履行のリスクを軽減できる
原価企画の発祥と海外移転
- 原価企画の発祥:日本
- 理由:デザイン・インが容易
- 海外移転が難しい理由:デザイン・インが困難
- コンカレント・エンジニアリング:アメリカ発の製品開発システム、日本の原価企画をモデルとしたもの。「徹底したマニュアル化」
- 原価企画が適する企業:多品種少量生産の加工組立型産業
原価改善(原価管理)
原価改善とは
- 製品の生産段階において、製品設計もしくは生産諸条件を変更することで、標準原価を下回る原価水準を達成するための原価管理
原価改善の種類
- 製品別原価改善
- 期別原価改善活動
- 1.利益改善目標額の算定
- 2.利益改善目標額の割当
- 3.現場における原価改善活動
- 4.原価改善差異の分析(原価改善差異=原価改善実績ー目標低減額)
その他の論点
- JIT生産方式
- QC(品質管理):品質検査、適合品質。アメリカ発
- TQC(全社的品質管理):全員参加で行う品質管理活動、製品品質。日本発
- TQM(品質管理):顧客満足度、経営品質。アメリカ発
原価維持(原価管理)
原価維持と期別原価改善の関係
原価維持 | 期別原価改善 | |
---|---|---|
適用段階 | 量産段階 | 量産段階 |
製造条件 | 現行のまま | 不断に変更 |
実際原価 | 標準原価に合致させる | 標準原価以下に下げる |
差異分析 | 標準原価と実際原価の比較 | 目標低減額と実際低減額の比較 |
会計手法 | 標準原価計算 | 予算管理 |
ABC総論(ABC)
ABCとは
- Activity Based Costing
- 活動基準原価計算
ABC誕生の背景
従来 | 現在 | |
---|---|---|
製造環境 | 少品種大量生産、手作業中心 | 多品種少量生産、FA化、CIM化 |
直接労務費 | 多い | 少ない |
製造間接費 | 少ない | 多い(生産支援コスト) |
操業度による配賦 | 適切 | 不適切 |
ABCの目的と考え方
- 考え方:原価計算対象が活動を消費し、活動が資源を消費する。資源を活動に割り当て、活動から原価計算対象に割り当てる。
- 目的:製品戦略、効果的なリストラクチャリング
ABCの諸概念
- 活動:中間的原価計算対象。部門を細分化して設定することが多い。費用対効果を考慮する必要がある
- 資源:経済的要素。当初は製造間接費が対象だったが、近年では製造直接費、営業費も資源に集計することがある。
- コストドライバー:狭義は単なる「配賦基準」。広義では「コストを変化させる原因あるいは変化に関わるもの」
- 資源ドライバー:第一段階(資源コストを活動に割り当てる)
- 活動ドライバー:第二段階(活動コストを原価計算対象に割り当てる)。業務処理ドライバー(取引ドライバー)、所要時間ドライバー(時間ドライバー)、強度ドライバー(インテンシティ・ドライバー)がある。
- 長期変動費の概念:短期的に発生額(支出額)は一定であるが、長期的な消費額の変動に応じて発生額(支出額)が変動する費用概念
ABCの計算構造
- 計算の第一段階:資源の消費額を資源ドライバーによってコスト・プールに割り当てる
- 計算の第二段階:活動別に集計された原価をそれぞれの活動ドライバーによって原価計算対象に割り当てる
- 製品単位レベル:短期変動費
- バッチレベル:長期変動費
- 製品支援レベル:長期変動費
- 工場支援レベル:固定費
ABCのメリットと限界
- メリット
- 1.製品戦略に有用な情報の提供(ABC)
- 2.製品や製造プロセスの改善に有用な情報の提供(ABM)
- 3.キャパシティコストの管理に有用な情報の提供(ABB)
- デメリット
- 1.適切なコストドライバーが存在しないコストがある
- 2.莫大なコストと効果発現までに相当の時間が要する
ABCのその他の論点
- ABCの原価計算対象:顧客、販売チャネル、サプライヤーも対象
- ABC情報利用にあたっての留意点:ABCはあくまで一情報
- 我が国におけるABCの利用状況:日本は外注比率が高かったので直接費の削減のために原価企画が発達し、アメリカでは内製比率が高かったため間接費の削減のためにABCが発達した
ABCと部門別計算の比較
部門別配賦法 | ABC | |
---|---|---|
中間的原価計算対象 | 原価部門 | 活動 |
補助部門費 | 製造部門に配賦 | 製品に直接配賦 |
製品に対する配賦基準 | 操業度関連 | 活動ドライバー |
原価情報 | 大量生産品が高く、少量生産品が安く計算される | 手間のかかる製品(少量生産品)ほど単価が高くなる |
ABCの計算への適用
- 製品戦略上の特殊調査としてABCを利用する企業が多い(伝統的な部門別計算と併存させる)
- ABCと組別総合原価計算
- ABCと標準原価計算
- ABCに基づくセグメント別損益計算書
- 資源消費モデル
ABM
- Activity Based Management(活動基準原価管理)
- 意義:顧客の視点から分析することで継続的な原価低減と利益改善を実現する
- ポイント:プロセス管理の視点に基づく技法
- 付加価値活動と非付加価値活動
- ABMの流れ:
- 1.活動分析
- 2.業務コストドライバー分析
- 3.業績分析
- 直接費を活動に集計する意義
- 正確な製品原価計算の観点:意義なし
- 原価管理の観点:活動の効率性を判断する
ABB
- ABB(Activity Based Budgeting、活動基準予算)
- 特徴:ABCのプロセスと逆の流れをたどる
予想される問題
- 原価企画の理論(逆機能、サプライヤー関係、海外移転)
- 原価改善の種類
- 原価維持と期別原価改善の比較
- ABCの理論(誕生の背景、目的、メリット、計算構造、部門別計算との比較)
- ABCの計算への適用(組別総合原価計算)
- ABM、ABB
今日やったこと
- 原価管理の続き、ABCの論点
- 財務会計論(理論)の補足論点
- 管理会計論の理論の復習
- 財務会計論(計算)の現金預金の復習
明日やること
- 管理会計論の答案練習
- 管理会計論の続きの論点
- 財務会計論の理論の復習
- 財務会計論(理論)の答案練習