短答式試験まで 269 日
論文式試験まで 358 日
目次
現行制度における具体的な収益の認識(損益会計)
まとめ
発生主義 | 実現主義 | 現金主義 | |
---|---|---|---|
通常の販売 | - | 販売基準 | - |
委託販売 | - | 販売基準 | - |
試用販売 | - | 販売基準 | - |
予約販売 | - | 販売基準 | - |
割賦販売 | - | 販売基準(原則) | 回収基準(例外) |
請負工事 | 工事進行基準 | 工事完成基準 | - |
農耕生産物 | 収穫基準(例外) | 販売基準(原則) | - |
未収収益 | 時間基準 | - | - |
自由職業者 | - | 販売基準(原則) | 入金基準(例外) |
- 実現主義:通常の販売、委託販売、試用販売(取引先が意思表示した時点)、予約販売(引渡しまで前受金として処理)、割賦販売(原則)、請負工事(工事完成基準)、農耕生産物(原則)、自由職業者(原則)
- 発生主義:請負工事(工事進行基準)、農耕生産物(収穫基準、例外)、未収収益(時間基準)
- 現金主義:割賦販売(回収基準、例外)、自由職業者(入金基準、例外)
内部利益(本支店会計)
- 売上高・売上原価から除去
- 振替損益:売上原価に配賦
費用の認識基準(損益会計)
基本
- 発生主義
発生費用と期間費用
- 発生費用:発生主義により認識された費用
- 期間費用:実現主義により認識された期間収益に対応する費用
費用収益対応の原則
- 意味:当期の期間収益に対応する期間費用を決定する
- 実質的な意義:
- 1.個別的対応:例:売上高と売上原価を商品を媒介して対応させる
- 2.期間的対応:例:広告宣伝費を全額当期の費用として処理する
- 個別的対応のほうが期間的対応より厳密である
- 形式的な意義:見た目・表示上の意義。対応表示する。
- 期間収益と期間費用の決定順序:
- 通常:期間収益が先に決定
- 例外:期間費用が先に決定(例:工事進行基準)
利益の特質と当期業績主義/包括主義(損益会計)
利益が満たすべき 2 つの性質
- 分配可能性
- 理由:利害調整機能(株主と債権者)
- 結果:特別損益項目も含める「分配可能利益」
- 主義:包括主義
- 尺度性
- 理由:情報提供機能
- 結果:特別損益項目は含めない「業績表示利益」
- 主義:当期業績主義
当期業績主義と包括主義の優劣
- 包括主義は、正常的収益力(業績表示利益)と分配可能利益のどちらも提供できるので、優れている。
損益計算書の表示(損益会計)
表示項目
- 売上高
- 売上原価
- 販売費及び一般管理費
- 営業外収益・営業外費用
- 特別利益・特別損失
総額主義
- 費用・収益は総額によって表示する
- 総額主義 ⇔純額主義
- 例外:為替差損益
貸借対照表の表示・作成(貸借対照表総論)
総額主義
- 資産・負債は総額によって表示する
- 例外:繰延税金資産・繰延税金負債
貸借対照表の区分表示
- 資産の部
- 流動資産
- 固定資産
- 負債の部
- 流動負債
- 固定負債
- 純資産の部
流動・固定分類
- 流動・固定分類をする理由:財政状態の把握しやくする(情報提供機能)
- 基準
- 1.正常営業循環基準
- 2.一年基準(ワンイヤー・ルール)
- 正常営業循環基準が優先される。(例:売掛金の回収が 3 年先でも流動負債である)
- 例外:
- ① 経過勘定:前払費用は一年基準が適用されるが、未収収益・未払費用・前受収益は常に流動項目
- ②繰延資産:流動資産でも固定資産でもない
- ③出資金:常に固定資産
貸借対照表の配列
- 原則:流動性配列法
- 例外:固定性配列法。固定資産の割合が極めて高い電力会社やガス会社が適用している
資産の概念(資産会計総論)
資産とは
資産とは、過去の取引または事象の結果として、報告主体(企業)が支配している、経済的資源をいう。
- 経済的資源:キャッシュの獲得に貢献する便益の源泉。別名「収益獲得能力」「用役潜在力」「経済的効益」
「静態論」下での資産概念
- 資産とは:換金可能なもの=「財貨及び法律上の権利」
- 評価:売却価額により評価
「動態論」下での資産概念
- 資産とは:将来費用となるもの(支出未費用項目)
- 評価:取得原価により評価
現行制度での資産概念
- 資産とは:資産とは、過去の取引または事象の結果として、報告主体(企業)が支配している、経済的資源をいう。
- 静態論と動態論の間に立っている
- 評価:資産の性質による
資産の分類(資産会計総論)
貨幣・費用分類
- 貨幣性資産
- 評価:回収可能価額
- 例:現金預金・売掛金・貸付金
- 費用性資産
- 評価:取得原価
- 例:棚卸資産・建物・ソフトウェア、繰延資産
- 利点
- 1.期間損益計算を重視
- 2.測定面を重視
- 3.資本の循環過程を重視(貨幣性資産=資本回収過程・投下待機過程、費用性資産=資本投下過程)
流動・固定分類
- 貸借対照表における表示に適用
金融・事業分類
- 金融投資:
- 1.事業上の制約なくいつでも換金可能なもの
- 2.市場評価額と企業の評価額が同じ
- 例:売買目的有価証券
- 事業投資
- 1.事業上の制約あり
- 2.市場評価額と企業の評価額が異なる
- 例:子会社株式
資産の評価(資産会計総論)
まとめ
客観性・検証可能性 | 現在の経済的価値 | 未実現利益 | 操業利益と保有利得 | |
---|---|---|---|---|
取得原価 | あり | 適切に示さない | 排除できる | 区別できない |
時価主義 | なし | 適切に示す | 混入する | |
再調達原価 | なし | 適切に示す | 混入する | 区別できる |
正味実現可能価額 | なし | △ | 混入する | 区別できる |
割引現在価値 | なし |
予想される問題
- 損益会計における具体的な収益認識を問う問題
- 損益会計における費用認識を問う問題
- 貸借対照表における流動・固定分類についての問題
- 資産の概念についての問題
- 資産の分類についての問題
- 資産の評価についての問題
今日やったこと
- 財務会計論(理論)の損益会計、貸借対照表総論、資産会計総論の論点
- 管理会計論の製造間接費の論点
- 練習問題
明日やること
- 管理会計論の答案練習
- 財務会計論(計算)の復習
- 財務会計論(計算)の答案練習
- 財務会計論(理論)の復習