財務会計論(計算)

包括利益・純資産・外貨建取引・在外支店 (2020年8月9日・財務会計論)

短答式試験まで 286 日

論文式試験まで 375 日

組替調整(包括利益)

組替調整とは

  • その他の包括利益の内訳を示す
  • 評価損益によって生じたその他の包括利益であったのか、売却によって生じたその他の包括利益であったのか注記する

作り方(その他有価証券評価差額金の場合)

  1. その他の包括利益を求める
  2. 税引前の額に割り戻す
  3. 売却損益を組替調整額に入れる(符号は利益の場合はマイナス損失の場合はプラス
  4. 差額を当期発生額とする

自己新株予約権(純資産)

ポイント

  • 自己新株予約権は損益取引(自己株式は資本取引)。よって、
    • 取得時の付随費用も含める
    • 消却時・処分時の差額はP/Lに計上する

表示

  • 新株予約権の控除項目
  • 直接控除する

減損

  • 自己新株予約権は、時価評価はしないが、減損処理だけする
  • 対応する新株予約権の帳簿価額を限度として、減損処理を行う(帳簿価額を下回ったら消却すればよいから

処分しない(消却する)と認められた新株予約権

  • さっさと当期の損益に計上する
  • つまり、損益計上を処分時まで待たない

消却時

  • 新株予約権 XXX / 自己新株予約権 XXX
              自己新株予約権消却益 XXX
  • 新株予約権 XXX / 自己新株予約権 XXX
    自己新株予約権消却損 XXX

処分時

  • 現金預金 XXX / 自己新株予約権 XXX
             自己新株予約権処分益 XXX
  • 現金預金 XXX / 自己新株予約権 XXX
    自己新株予約権処分損 XXX

新株予約権の取得者側の処理(純資産)

  • 有価証券として処理する。よって、
    • 決算時:時価評価する
    • 権利行使時(売買目的有価証券):行使時の時価で振り替え、損益を計上
    • 権利行使時(その他有価証券):帳簿価額で振り替え
    • 権利行使期間終了時:「新株予約権不行使損」勘定で処理

株主資本等変動計算書(純資産)

株主変動資本以外の変動事由の内訳を示す場合

  • 解き方:包括利益の組替調整と同じ
  • 注意:表示される額は、税効果適用後である。(包括利益の場合は、適用前だった)

現物出資(純資産)

  • 時価で計上
  • 資産 XXX / 資本金 XXX

為替予約の独立処理(外貨建取引)

考え方

  • 為替予約をデリバティブ取引で処理する
  • 毎期損益が計上されるので、ヘッジ会計を行う必要はない

外貨建取引のその他の論点(外貨建取引)

外貨建社債

  • 外貨建ての満期保有目的の債券の発行者側の処理
  • 発行時:HR
  • 決算時
    • 償却原価法AR
    • 為替差損益CR

外貨建新株予約権

  • 発行時:HR
  • 権利行使時:分けて考える
    • 新株予約権HR
    • 現金預金CR

外貨建新株予約権付社債

  • 決算時:CR換算して、為替差損益を計上
  • 権利行使時:換算差額は為替差損益に計上
  • 固定レート:固定レートが出てきた場合、固定レートをもとに発行株数を計算

在外支店

考え方

外貨建取引と同じように解けばよい

換算手順

  1. 支店B/Sの項目を円に換算
  2. 本店勘定本店の支店勘定と同額とする)を支店B/Sに追加
  3. 支店B/S上の差額を当期純損益とする
  4. 支店P/Lの項目を円に換算
  5. 支店B/S上でもとめた当期純損益をP/Lにもってくるズレを為替差損益とする。

売上原価および商品評価損

  • 売上原価=期首商品棚卸高(HR)+当期商品仕入高(HR or AR)-期末商品仕入高(HR
  • 棚卸資産の商品評価損:商品評価損がある場合のみ棚卸資産はCRで換算

予想される問題

  • 包括利益計算書の組替調整の問題
  • 株主資本等変動計算書の問題
  • 為替予約の独立処理の問題

今日やったこと

  • 包括利益の組替調整の論点
  • 純資産の細かい論点
  • 外貨建取引の細かい論点
  • 在外支店の論点
  • 練習問題

明日やること

  • 連結における退職給付会計の論点
  • 答案練習