工業簿記

2020年6月1日 工業簿記(総合原価計算)

第 1 回短答式試験まで 187 日

論文式試験まで 444 日

作業途中での材料の追加投入があったときの仕掛品計算(総合原価計算)

ポイント

材料の追加投入時期と未完成品の進捗度によって、追加投入する材料費が、

  • 前期に投入されたものか
  • 今期に投入したものか
  • 来期に投入する予定のものか

を判断する。

材料の追加投入が、いつ行われたか意識すること。

  • 月初:
    • 投入済み:未完成品進捗度(%)追加投入時期(%)
    • 投入前:未完成品進捗度(%)> 追加投入時期(%)
  • 月末:
    • 投入済み:未完成品進捗度(%)追加投入時期(%)
    • 投入前:未完成品進捗度(%)追加投入時期(%)

仕掛品計算方法

手順は普通の時と基本的に同じ。違う部分のみ太字にする。

最初から投入している材料を材料 A、追加投入する材料を材料 Bとする。

先入先出法の仕掛品計算

  1. 図で状況を整理
  2. 材料費 A と加工費と材料費 Bの仕掛品の BOX 図を別々に書く
  3. 問題文で与えられた情報を BOX 図に書き込む
  4. 加工費の月初の個数と月末の個数を計算し、投入の個数を(完成品の個数+月末の個数ー月初の個数)でもとめる
  5. 材料費 B の月初の個数と月末の個数を計算し(前節のポイント参照)、投入の個数を(完成品の個数+月末の個数ー月初の個数)でもとめる
  6. 材料費 A と加工費と材料費 Bで、それぞれの月末の仕掛品原価を(今期投入金額 ÷ 今期投入数 ✖ 月末の個数)でもとめる
  7. 材料費 A と加工費と材料費 Bで、完成品原価を(月初仕掛品+今期投入金金額ー月末の仕掛品原価)でもとめる。

平均法の仕掛品計算

  1. 図で状況を整理
  2. 材料費 A と加工費と材料費 Bの仕掛品の BOX 図を別々に書く
  3. 問題文で与えられた情報を BOX 図に書き込む
  4. 加工費の月初の個数と月末の個数を計算し、投入の個数を(完成品の個数+月末の個数ー月初の個数)でもとめる。平均法の場合、個数の合計と、仕掛品の合計をそれぞれ計算する。
  5. 材料費 B の月初の個数と月末の個数を計算し(前節のポイント参照)、投入の個数を(完成品の個数+月末の個数ー月初の個数)でもとめる。平均法の場合、個数の合計と、仕掛品の合計をそれぞれ計算する。
  6. 材料費 A と加工費と材料費 Bで、それぞれの月末の仕掛品原価を(仕掛品の合計 ÷ 個数の合計 ✖ 月末の個数)でもとめる
  7. 材料費 A と加工費と材料費 Bで、完成品原価を(仕掛品の合計ー月末の仕掛品原価)でもとめる。

材料を平均的に追加投入したときの仕掛品計算(総合原価計算)

ポイント

平均的に追加投入した材料費は、加工費と同じように計算する。つまり、月初・月末それぞれにおいて、未完成品の進捗度に応じて未完成品の個数を計上する

仕掛品計算方法

手順は普通の時と基本的に同じ。違う部分のみ太字にする。

最初から投入している材料を材料 A、追加投入する材料を材料 Bとする。

先入先出法の仕掛品計算

  1. 図で状況を整理
  2. 材料費 A と加工費と材料費 Bの仕掛品の BOX 図を別々に書く
  3. 問題文で与えられた情報を BOX 図に書き込む
  4. 加工費の月初の個数と月末の個数を計算し、投入の個数を(完成品の個数+月末の個数ー月初の個数)でもとめる
  5. 材料費 B の月初の個数と月末の個数を計算し(前節のポイント参照、加工費と個数は同じ)、投入の個数を(完成品の個数+月末の個数ー月初の個数)でもとめる
  6. 材料費 A と加工費と材料費 Bで、それぞれの月末の仕掛品原価を(今期投入金額 ÷ 今期投入数 ✖ 月末の個数)でもとめる
  7. 材料費 A と加工費と材料費 Bで、完成品原価を(月初仕掛品+今期投入金金額ー月末の仕掛品原価)でもとめる。

平均法の仕掛品計算

  1. 図で状況を整理
  2. 材料費 A と加工費と材料費 Bの仕掛品の BOX 図を別々に書く
  3. 問題文で与えられた情報を BOX 図に書き込む
  4. 加工費の月初の個数と月末の個数を計算し、投入の個数を(完成品の個数+月末の個数ー月初の個数)でもとめる。平均法の場合、個数の合計と、仕掛品の合計をそれぞれ計算する。
  5. 材料費 B の月初の個数と月末の個数を計算し(前節のポイント参照、加工費と個数は同じ)、投入の個数を(完成品の個数+月末の個数ー月初の個数)でもとめる。平均法の場合、個数の合計と、仕掛品の合計をそれぞれ計算する。
  6. 材料費 A と加工費と材料費 Bで、それぞれの月末の仕掛品原価を(仕掛品の合計 ÷ 個数の合計 ✖ 月末の個数)でもとめる
  7. 材料費 A と加工費と材料費 Bで、完成品原価を(仕掛品の合計ー月末の仕掛品原価)でもとめる。

仕損と減損とは(総合原価計算)

仕損

仕損とは、失敗してしまうこと。失敗してしまった不合格品のことを仕損品という。

減損

減損とは、蒸発などにより、原料が減ってしまうこと。

仕損と減損の違い

  • 仕損
    • 失敗すること
    • 失敗したモノはのこる
    • 評価額がある。仕損品を売った場合の売却額を仕損品の評価額という。
  • 減損
    • モノが減ること
    • モノは残らない
    • 評価額がない

度外視法

度外視法とは、仕損品にかかった原価を別個に計算せず、仕損の発生を無視して計算する方法。

簿記 2 級では、度外視法を使った仕損の処理しか出題されない。

6 つの仕損の処理方法(総合原価計算)

先入先出法 平均法
完成品原価に含めて処理
完成品原価と月末仕掛品原価に含めて処理
発生点不明の時

仕損の処理①完成品原価に含めて処理(総合原価計算)

どういう時に完成品に含めて処理するか

仕損が月末仕掛品の加工進捗度よりもあとに発生した場合、仕損を完成品原価に含めて処理する。

仕損計算方法

ポイント

手順は先入先出法と平均法それぞれで、普通の総合原価計算における仕掛品計算の手順と同様。

ただ、仕損をBOX図に書き足し、材料費の中で(加工費はいじらない)、完成品原価から仕損品の評価額を引く

仕損の処理②完成品原価と月末仕掛品原価に含めて処理(総合原価計算)

どういう時に完成品に含めて処理するか

仕損が月末仕掛品の加工進捗度よりも後に発生した場合、仕損を完成品原価と月末仕掛品原価の両方に含めて処理する。

仕損計算方法

ポイント

ここから明日やる

今日やったこと

  • 追加投入のときの総合原価計算の理論、練習問題
  • 仕損の理論(仕損とは、完成品原価に含める場合)

明日やること

  • 仕損の理論(完成品原価と月末仕掛品原価両方に含める場合、発生点が不明の場合)
  • 練習問題