監査論

グループ監査・専門家の利用・内部監査の利用  (2020年12月2日・監査論)

短答式試験まで 171 日

論文式試験まで 260 日

グループ監査

総論

  • グループ監査のステップ:①各個別財務諸表の監査②連結修正仕訳の監査
  • 個別財務諸表監査との相違点:固有の監査論点が存在する
  • 重要な構成単位とは:①個別の財務的重要性を有する②特別な検討を必要とするリスクが含まれる可能性がある
  • 構成単位の監査人:グループ監査チームの一部のメンバーであっても該当する
  • 品質管理の遵守:構成単位の財務情報に関する作業を実施するものに対しても適用
  • 構成単位の監査への関与をしなければならない
  • グループ監査責任者の責任:
    • 原則:構成単位の監査人の利用に関して言及してはならない
    • 例外:監査範囲の制約による除外事項付意見を表明する場合
    • 理由:自らの責任が限定されないため無意味誤解を利害関係者に与える虞がある
  • グループ監査契約の締結及び更新
    • 1.環境を理解構成単位の監査人に関与できるか評価
    • 2.重要な構成単位の決定
    • 情報を制約される場合:契約の可否を慎重に検討

リスク評価手続

  • グループ全体の手続
    • 1.環境の理解を深める
    • 2.連結プロセスの理解(決算指示書が重要)
  • 構成単位からの情報
    • 1.重要な構成単位の見直し
    • 2.重要な虚偽表示リスクをグループ・レベルで評価
  • 構成単位の監査人に対する理解(構成単位の監査人に依拠しない場合は不要):独立性(全ての構成単位に対して)、能力、関与できるか
    • 構成単位の監査人に独立性がない場合:独立性がない・独立性以外の項目で重大な懸念がある場合は依拠してはならない重大ではない懸念がある場合は克服できる場合がある
決定者
重要性の基準値 グループ監査チーム
構成単位の重要性の基準値 グループ監査チーム(例外:法定監査の対象の場合
明らかに僅少とみなすことができない虚偽表示の金額 グループ監査チーム
構成単位の手続実施上の基準値 構成単位の監査人グループ監査チームが評価の妥当性を評価

リスク対応手続

  • 関与の内容、時期及び範囲
  • 重要な構成単位の場合
    • 財務的重要性が高い:財務情報の監査
    • 特別な検討を必要とするリスク:財務情報の監査特定の勘定残高等の検討特定の監査手続の一つ又は複数
  • 重要な構成単位以外の構成単位:グループ・レベルでの分析的手続
  • 連結プロセスの検証
    • 実証手続:連結の範囲・持分法の適用範囲連結修正の評価
  • 後発事象:構成単位の監査人に通知するように依頼
  • 構成単位の監査人とのコミュニケーション
    • 構成単位の監査人へ:構成単位の重要性の基準値関連当事者のリスト
    • 構成単位の監査人から:内部統制の重要な不備
    • 手法:書面で行われることが多い
  • グループ経営者とのコミュニケーション:内部統制の重要な不備不正構成単位の重要な虚偽表示をグループ経営者に依頼
  • グループ当地責任者とのコミュニケーション
  • 個別の監査報告書における除外意見:必ずしも連結上の除外事項になるとは限らない。連結上の重要性に応じて

専門家の業務の利用

総論

  • 専門家とは:会計又は監査以外の分野において専門知識を有する個人又は組織
  • 監査人の利用する専門家:内部の専門家+外部の専門家
  • 会計又は監査以外の専門知識の具体例:無形固定資産の評価減損の可能性がある資産
  • 監査人の責任:単独で責任を負い、軽減されない
  • 品質管理の方針:内部の専門家は従う外部の専門家は従わなくて良い

利用のプロセス

  1. 専門家の業務を利用するか判断
  2. 専門家の業務が適切であるか判断するための監査手続:状況に応じて異なる
  3. 専門家の適正、能力、客観性の評価外部の専門家には利害関係について質問をしなければならない
    • 経営者の利用する専門家:利用できない場合あり
  4. 専門家の専門分野の理解
  5. 専門家との合意
  6. 業務の適切性に係る評価
  7. 適切ではない場合:専門家を利用、監査人自身の追加的な監査手続

報告

  • 無限定適正意見:専門家の利用を記載してはならない
    • 例外:KAMでは書ける
  • 除外事項付意見:記載することがある意見に関する除外も含む
    • 注意:監査人の責任を軽減するものではないことを記載専門家の同意が必要な場合あり

内部監査人の作業の利用

総論

  • 内部監査の機能:企業のガバナンス・プロセス、リスク管理及び内部統制の有効性を評価・改善する
  • 内部監査人の作業を利用する効果:作業の簡略化、三様監査の連携の強化
  • 内部監査の特徴:
    • 目的・範囲・責任・位置づけが多様である
    • 客観性独立性が要求されるわけではない
    • 監査人の責任を軽減するものではない

利用のプロセス

  • 内部監査人の作業の利用の可否:客観性能力、専門職としての規律・手法
    • 経営者に直接報告している場合は、客観性が疑われる
  • 利用の程度の判断:適合しているか、監査役等とのコミュニケーション
    • 高度な判断が必要重要な虚偽表示リスクが高い場合は利用範囲を縮小
  • 作業の利用:協議、報告書の通読、再実施、質問、観察、閲覧

内部監査と外部監査の違い

内部監査 外部監査
制度 任意監査 法定監査
目的 経営者、取締役会、監査役等に奉仕 一般投資家の保護
独立性 客観性は求められるが、独立性は求められない 独立性あり
監査報告書 短文式報告書 長文式報告書

今日やったこと

  • 監査論のグループ監査、専門家の利用、内部監査人の利用
  • 企業法の復習
  • 財務会計論(計算)の資本連結の論点

明日やること

  • 監査論の続き
  • 管理会計論の練習
  • 財務会計論(理論)の復習