管理会計論

分権組織とグループ経営 (2020年10月11日・管理会計論)

短答式試験まで 223 日

論文式試験まで 312 日

事業部制会計総論

職能別組織と事業部制組織

職能別組織 事業部制組織
組織形態 組織の機能に従って編成 製品や地域といったセグメントに従って編成
責任センター 収益センター費用センター 利益センター投資センター
業績評価 他部門と切り離して評価することが困難 他部門と切り離して評価することができる

集権的組織と分権的組織

  • 集権的組織→職能別組織
  • 分権的組織→事業部制組織
  • 分権化のメリット(4つ)
    • 現場に精通
    • 迅速な意思決定
    • モラールが向上
    • 経営管理者に貴重な経験
  • 分権化のデメリット(3つ)
    • 部分最適
    • 職能経営資源の重複
    • 運用コスト

事業部損益計算書

  • 固定費の分類:
    • 管理可能:管理可能個別固定費(追跡可能)
    • 管理不能・追跡可能:管理不能個別固定費
    • 管理不能・追跡不能:管理不能共通固定費(本社費・共通費)
  • 4つの利益概念(貢献利益・管理可能利益・事業部利益・事業部純利益

事業部の業績評価

投資利益率(ROI)と残余利益(RI)

  • 投資利益率 = \frac{利益}{投資額} \times 100
  • 残余利益 = 利益 - 投資額 \times 資本コスト率 = (ROI - 資本コスト率) \times 投資額
  • ROIの展開=デュポン・チャート

事業部長と事業部自体の業績評価の違い

事業部長 事業部自体
業績評価の目的 事業部長の目標整合性 トップマネジメントの意思決定
業績評価指標 RI ROI

事業部長の業績評価

  • 管理可能な尺度を用いる
  • 投資利益率:管理可能投資資本利益率
  • 残余利益管理可能残余利益率
  • 業績評価指標:RIが優れている

事業部自体の業績評価

  • 追跡可能性が重要
  • 事業部投下資本=事業部総資産ー事業部流動負債
  • 投資利益率:投下資本利益率
  • 残余利益:事業部残余利益
  • 業績評価指標:ROIが優れている

本社費・共通費の配賦

  • 配賦すべきでない理由:
    • 事業部長にとって管理不能
    • 追跡不能なので配賦に恣意性が介入するおそれ
  • 配賦すべき理由:
    • 同業他社との業績比較が可能
    • 本社費に関して事業部から抑制が効く
    • 本社費も回収すべきコストとして認識させることができる
  • 配賦基準:
    • 理想:ABC
    • 実務:負担能力

内部振替価格

設定目的

  • 業績評価
  • 意思決定

内部振替価格の種類

  • 市価基準
    • 単純市価基準
    • 市価差引基準
  • 原価基準
    • 単一価格基準(全部原価基準、総原価プラス基準、差額原価基準、変動費プラス基準)
    • 二重価格基準

設定目的と設定基準の関係

供給事業部が完全操業 供給事業部が不完全操業
業績評価目的 市価基準 原価プラス基準
意思決定目的 市価基準 差額原価基準

市価基準

  • 前提:関係事業部に忌避権あり

内部振替価格と各事業部制の関係

  • 製品別事業部制:市価基準が適用可能
  • 職能別事業部制:原価基準によらざるを得ない。ただ、プロフィットセンターとして評価することもあり

予想される問題

  • 職能別組織と事業部制組織の比較
  • 分権的組織のメリット・デメリット
  • 事業部長と事業部自体の業績評価の方法の違い
  • 内部振替価格の問題

今日やったこと

  • 管理会計論の答案練習
  • 管理会計論の分権組織とグループ経営の論点
  • 財務会計論の理論の復習
  • 財務会計論(理論)の答案練習

明日やること

  • 管理会計論の分権組織とグループ経営の練習問題
  • 財務会計論(理論)の続きの論点