管理会計論

財務情報分析 (2020年10月1日・管理会計論)

短答式試験まで 233 日

論文式試験まで 322 日

財務情報分析総論

財務諸表分析の種類

  • 収益性分析最も重要期間比較や経営比較がメイン
  • 活動性分析
  • 安全性分析目標値や理論値との比較がメイン
  • キャッシュ・フロー分析

財務諸表分析の方法

  • 実数分析
  • 比率分析
  • 構成比分析垂直分析
  • 比較分析
    • 期間比較水平分析趨勢分析
    • 経営比較クロス・セクション分析
    • 目標値比較

比率分析の基本ルール

  • P/LとP/L:年間値を使用
  • P/LとB/S:P/Lは年間値、B/Sは平均残高
  • B/SとB/S:期末残高を使用

財務諸表分析の限界

  1. 貨幣評価できない要素が含まれない
  2. 財務諸表の数値は過去データ

収益性分析

収益性とは

  • 企業の利益獲得能力
  • もっとも重要な分析

資本利益率(ROI)

  • 総資本経常利益率(ROA)
    • 意味:企業活動全体の収益性
    • 総資本利払前経常利益率:分子に金融費用を加算
  • 総資本事業利益率(ROA)
    • 事業利益=営業利益+金融収益
  • 経営資本営業利益率
    • 意味:営業活動自体の収益性
  • 自己資本純利益率(ROE)
    • 意味:株主の視点からみた投資の収益性
    • 自己資本=株主資本+評価・換算差額等

売上高営業利益率

  • 意味:製品やサービスのマージン率

資本利益率に関する諸論点

  • 資本利益率の展開:資本利益率=売上高利益率✕資本回転率
  • 経営戦略と資本利益率:
    • 薄利多売戦略:売上高利益率が低く、資本回転率が高い
    • ブランド戦略リストラ戦略:売上高利益率が高く、資本回転率が低い
  • 連結基礎概念とROEの関係:親会社説・経済的単一体説で数値が異なる
  • 自己資本純利益率(ROE)の展開:ROE=売上高利益率✕総資本回転率✕財務レバレッジ
  • 財務レバレッジの効果:ROAの変動幅以上にROEのの変動幅が大きくなる。(要は、業績がいいときは借金たくさんして、悪いときは借金するな)

活動性分析

活動性分析の種類

  • 経営資本回転率
    • 意味:経営資本の運用効率を示す
    • 大きければ大きいほどよい
    • 逆数:経営資本回転期間短いほうがよい
  • 売上債権の回転分析
    • 意味:売上債権が売上高によって何回転したか示す
    • 売上債権回転率高いほうがよい
    • 売上債権回転期間短いほうがよい
    • 注意:貸倒引当金控除前割引・裏書手形を加算
    • 理論的な計算方法:売上高ではなく、売上債権回収額を用いるべき
  • 棚卸資産の回転分析
    • 意味:棚卸資産が売上高によって何回転したか示す
    • 棚卸資産回転率高いほうがよい
    • 棚卸資産回転期間短いほうがよい
    • 理論的な計算方法:年間売上高ではなく、売上原価を用いるべき
    • 付随的な分析:原材料回転期間、仕掛品回転期間、製品回転期間
  • 有形固定資産の回転分析
    • 意味:経営活動における有形固定資産の利用度を示す
    • 有形固定資産回転率
    • 有形固定資産回転期間
    • 注意①:単に高ければ高いほどよいという訳ではない必要な投資をしていないだけの可能性もある
    • 注意②:建設仮勘定を控除しない

安全性分析

意味

  • 企業の財務基盤の健全さ
  • 短期と長期ストックとフロー
短期 長期
ストック 流動比率・当座比率 負債比率自己資本比率
固定比率固定長期適合比率
フロー インタレスト・カバレッジ・レシオ -

ストック数値による安全性分析

  • すべてB/S項目を利用するので、期末残高のみを用いる
  • ストック数値による安全の限界
    • フロー項目の大きさやタイミングが重要
    • 特定時点における資産の清算価値でしかない
  • 流動比率
    • 意味:企業の短期的な債務返済能力を示す
    • 目安:200%以上
    • 注意:高ければ高いほどよいという訳ではない(収益性を犠牲にする
  • 当座比率
    • 意味:流動性比率と比較してより厳しく判定するための指標
    • 目安:100%以上
  • 自己資本比率
    • 意味:奇病の財務基盤の健全性を示す
    • 目安:50%以上
    • 補足:財務レバレッジとして利用できる
  • 負債比率
    • 意味:企業の財務基盤の健全性を示す他人資本への依存度を表す
    • 目安:100%以下
    • 補足:財務レバレッジとして利用できる
  • 固定比率
    • 意味:固定資産投資の安全性を示す
    • 目安:100%以下(業種による)
    • 補足:繰延資産を固定資産に含めて計算することがある
  • 固定長期整合比率
    • 意味:固定比率と同様に固定資産投資の安全性を示す
    • 目安:必ず100%以下
    • 補足:繰延資産を固定資産に含めて計算することがある

フロー数値による安全性分析

  • インタレスト・カバレッジ・レシオ
    • 意味:利息の何倍の経常的な収益を獲得できているかを示す
    • 目安:1.0を上回ることが必須

キャッシュ・フロー分析

営業CF対利息比率

  • 分子:利息等控除前の営業活動によるCF
  • 意味:キャッシュ・フローに裏付けられたインタレスト・カバレッジ・レシオ
  • 目安:1.0を上回ることが必須

その他の指標

  • 経常収支比率
    • 意味:収支面から見た企業の安全性
    • 目安:100%を上回ることが必須
    • 架空売上等を見破るのに重要
  • 営業CFマージン
  • 自己資本営業CFマージン
  • 営業CF対流動負債比率
  • 設備投資対営業CF比率
  • 有利子負債返済年数

予想される問題

  • 収益性分析の問題
  • 活動性分析の問題
  • 安全性分析の問題
  • キャッシュ・フロー分析の問題

今日やったこと

  • 管理会計論の続きの財務情報分析の論点
  • 財務会計論(理論)の復習
  • 財務会計論(計算)の転換社債型新株予約権付社債・連結退職給付会計の復習
  • 財務会計論(理論)のストック・オプションの続きの論点

明日やること

  • 管理会計論の続きの論点
  • 財務会計論(理論)のキャッシュ・フローの論点
  • 財務会計論(理論)の復習
  • 財務会計論(理論)の答案練習