財務会計論(理論)

負債  (2020年9月2日・財務会計論)

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負債会計総論

負債とは

  • 負債とは、過去の取引または事象の結果として、報告主体が支配している経済的資源を放棄もしくは引き渡す義務、またはその同等物をいう
  • 近年定義された

負債の分類

  • 法律上の責務
分類
確定債務 借入金、買掛金、支払手形、社債
条件付債務 退職給付引当金、製品保証引当金、返品調整引当金
  • 会計的負債
分類
債務性のない引当金 修繕引当金
経過勘定項目 未払費用、前受収益
  • 補足:修繕手引当金は、「経済的資源を引き渡す義務」に当たらないので、負債の定義からすると、負債に当てはまらない。

流動負債と固定負債

  • 資産と同様
  • 評価方法
    • 1.正常営業循環基準
    • 2.1年基準

引当金(負債)

引当金の定義

  1. 将来の特定の費用または損失に関するもの
  2. その費用又は損失の発生が、当期又はそれ以前の事象に起因している
  3. その費用又は損失の発生の可能性が高い
  4. その金額を合理的に見積もることができる
  • 補足:繰延資産は「限定列挙」であったのに対し、引当金は上記の4条件を満たせば何にでも適用可

引当金の設定目的

  • 適正な期間損益の算定

引当金の計上論拠

  • 引当金は、費用の発生主義(実際発生主義)の観点からは認識すべきではない。ではなぜ計上する?
  • 理由①:原因発生主義:発生主義を広く捉える
  • 理由②:費用収益対応の法則:実際発生主義の立場をとっても認識すべきという立場

引当金の分類(P/L観点)

  • 費用性引当金
    • 論拠:原因発生主義、費用収益対応の法則
    • 例:賞与引当金、修繕引当金
  • 損失性引当金
    • 論拠:保守主義の原則
    • 例:債務保証損失引当金、損害補償損失引当金
  • 収益控除性引当金
    • 論拠:原因発生主義、費用収益対応の法則
    • 例:売上割戻引当金売上から控除)、返品調整引当金売上総利益から控除)

引当金の分類(B/S観点)

  • 評価性引当金
    • 特徴:資産の部に計上され、特定の資産から控除される
    • 例:貸倒引当金
  • 負債性引当金
    • 特徴:負債の部に計上され、債務性の有無で分類される
    • 債務性あり退職給付引当金
    • 債務性なし修繕引当金

引当金の測定

  • 引当金の測定方法については明記していない

偶発債務と偶発損失(負債)

偶発損失

  • 引当金の条件に合致する場合、引当金を計上する必要あり

偶発債務

  • 注記が必要
  • 例:債務保証
    • 引当金の要件を満たす場合、引当金の設定が必要。注記の額は、引当金を控除した額を表示

偶発債務を伴わない偶発損失

  • 偶発債務を伴わない偶発損失:貸倒
  • 偶発債務を伴う偶発損失:債務保証

予想される問題

  • 負債総論の論点(定義・分類)
  • 引当金の論点(定義・目的・論拠・分類・測定)
  • 偶発債務・偶発損失の論点

今日やったこと

  • 財務会計論(理論)の答案練習
  • 財務会計論(理論)の負債の論点
  • 管理会計論の単純総合原価計算の仕損・減損の論点
  • 管理会計論の単純総合原価計算の仕損・減損の練習問題
  • 財務会計論(計算)の現金預金の復習

明日やること

  • 財務計算の復習(企業結合・ストックオプション)
  • 管理会計論の練習問題(部門補助費の配賦、単純総合原価計算の仕損減損)