管理会計論

製造間接費会計その4、個別原価計算  (2020年8月30日・管理会計論)

短答式試験まで 265 日

論文式試験まで 354 日

部門別会計のその他の論点(製造間接費)

補助部門費配賦額の製造部門における取り扱い

  • 単一基準配賦法:補助部門変動費も補助部門固定費も、製造部門変動費
  • 複数基準配賦法:補助部門変動費は製造部門変動費、補助部門固定費は製造部門固定費

複数基準配賦法で用役消費能力が与えられていない場合

  • 予算における用役消費量を用役消費能力とみなして計算する

部門共通費の個別費化への取り組み

  • 背景:部門別計算の主目的が原価管理・責任会計に移行してきたので、部門共通費の原価責任が重要になった
  • 個別費化の方法
    • 1.コストをかけて部門に集計(デメリット:経済性を無視してしまう)
    • 2.管理するのに最も適切な部門に集計
    • 3.部門の設定を工夫(あらたに部門を創設)

補助部門費の製品への直接配賦

  • 以下の2種類の補助部門費は製品に直接配賦することが認められている(2次集計を通過しない)
  • 一般費(工場長給与等)
    • 条件:①部門共通費②工場全般に発生③適当な配賦基準が得られない
    • 配賦基準:負担能力基準で配賦
  • 製品に直接用役を提供している補助部門(製品検査部等)
    • 配賦基準:原価発生原因主義で配賦

コスト・センターとは

  • 原価に対して責任を追う管理単位のこと
  • 管理可能な原価要素のみ集計すべきである

製品別原価計算

製品別原価計算とは

  • 原価要素を一定の製品単位に集計し、単位製品の製造原価を算定する手続き
  • 種類:
    • 1.単純総合原価計算
    • 2.等級別総合原価計算
    • 3.組別総合原価計算
    • 4.個別原価計算

個別原価計算と総合原価計算

個別原価計算 総合原価計算
生産形態 個別受注生産 市場見込生産
製造指図書 特定製造指図書 継続製造指図書
原価集計単位 指図書ごとの生産命令数量 期間生産量
直接費・間接費の区分 必須 重要ではない組別・標準では重要
製品原価の算定 生産完了時 月末

個別原価計算総論(個別原価計算)

個別原価計算とは

  • 原価計算における第三次の計算段階である製品別計算の一形態
  • 種類を異にする製品を個別的に生産する生産形態
  • 部門別計算
    • 行わない(総括配賦):単純個別原価計算
    • 行う(部門別配賦):部門別個別原価計算
  • 原価元帳:原価計算表の綴じた帳簿

原価要素の集計

  • 直接材料費・直接労務費・直接経費原則は実際例外で予定
  • 製造間接費原則は予定、例外で実際

仕損費(個別原価計算)

仕損とは

  • 失敗のこと
  • 仕損費:仕損の発生によって生じた損失

正常仕損費と異常仕損費

  • 正常仕損費:通常発生する範囲の仕損→製品原価
  • 異常仕損費:量的異常及び質的異常非原価項目

仕損費の計算

  • 仕損費=仕損品原価ー仕損品評価額

仕損の種類

  • 新たに指図書を発行する
    • 補修:補修指図書の製造原価を仕損費に。仕損品評価額は発生しない
    • 全部代品製作:旧製造指図書の製造原価を仕損費に。評価額がある場合、仕損品原価から控除。
    • 一部代品製作:新製造指図書の製造原価を仕損費に。評価額がある場合、新製造指図書から控除
  • 新たに指図書を発行しない
    • 補修:見積額を仕損費に
    • 代品製作:見積額ー仕損品評価額を仕損費
  • 軽微な仕損の場合:仕損費は計上しない評価額がある場合、製造原価から控除

予想される問題

  • 仕損費の計算

今日やったこと

  • 管理会計論の部門別計算、個別原価計算の論点
  • 財務会計論(理論)の流動資産・固定資産の論点
  • 財務会計論(計算)の復習
  • 財務会計論(理論)の復習
  • 練習問題

明日やること

  • 管理会計論の個別原価計算の続きの論点
  • 財務会計論(計算)の復習