管理会計論

分権組織とグループ経営その2 (2020年10月13日・管理会計論)

短答式試験まで 221 日

論文式試験まで 310 日

様々な組織単位(分権組織とグループ経営)

事業部制の種類

  • 社内金利制度(米国型)と社内資本金制度(日本型):社内資本金制度は累積損益としての留保利益を計上することによって長期的な利益責任を問う
  • カンパニー制
  • 純粋持株会社

ミニ・プロフィット・センター(Micro Proit Center: MPC)

  • 意義:各組織をプロフィットセンターとして管理する
  • 特徴:公式的な組織を対象とする
  • 目的:組織全体の学習能力を高める
  • 疑似MPCとリアルMPC
    • ラインカンパニー制:工場内の製造ラインをプロフィットセンターとみなして事業運営を行う方法
    • アメーバ組織:小規模組織による独立採算のプロフィットセンター、スピィーディーな経営、時間あたり採算の採用

企業価値評価(分権組織とグループ経営)

企業価値評価の基礎

  • 用語:企業価値、負債価値、株主価値
  • 企業価値=負債価値+株主価値
  • 企業価値評価と貸借対照表:無利子負債のみを貸借対照表から除く

フリー・キャッシュ・フローモデル(Free Cash Flow: FCF)

  • 意義:正味現在価値法を企業レベルに援用
  • FCF=(税引後営業利益+減価償却費ー正味運転資本増加額)ー設備投資額
  • 事業価値=予測可能期間のFCFの現在価値+継続価値の現在価値
    • 予測期間以降のFCFが毎期一定:継続価値 = \frac{基準となるCF}{加重平均資本コスト率}
    • 予測期間以降のFCFが毎期一定割合で成長:継続価値 = \frac{基準となるCF}{加重平均資本コスト率 - FCFの成長率}
  • 企業価値=事業価値+非事業用資産の価値
  • 株主価値=企業価値ー負債価値

株主価値算定の手順

  1. FCFモデルにより事業価値算定
  2. 事業価値に非事業用資産の価値を足して企業価値を算定
  3. 企業価値から負債価値を引いて株主価値を算定

経済付加価値(Economic Value Added: EVA)

  • EVA = NOPAT - 資本コスト額
      = NOPAT - WACC使用資本
  • EVAにより業績評価するメリット:EVAを報酬制度と結びつけることで、管理者及び従業員と株主の利害が一致
  • 管理可能残余利益との相違点
管理可能残余利益 EVA
ベースとなる利益 税引前管理可能営業利益 税引後営業利益
資本コスト率 税引前目標投下資本利益率 税引き後WACC
重視する点 管理可能性原則 企業価値への貢献度
  • 問題点:
    • 管理可能性が考慮されていない
    • 投下資本と金額が影響し、その増減が管理者の短期的な業績に影響してしまう

多国籍企業のための管理会計

  • 高税率から低税率の国への販売時:移転価格を低く設定するべき
  • 低税率から高税率の国への販売時:移転価格を高く設定するべき
  • 移転価格税制:租税総額を回避することを認めないための税制

予想される問題

  • 事業部制の種類
  • ミニ・プロフィットセンターの種類
  • 企業価値評価による株主価値算定
  • EVAのメリットと算定方法

今日やったこと

  • 管理会計論の答案練習
  • 管理会計論の分権組織とグループ経営の続きの論点
  • 財務会計論の理論の復習
  • 財務会計論(理論)の答案練習

明日やること

  • 管理会計論の分権組織とグループ経営の練習問題
  • 管理会計論の基礎のまとめ
  • 管理会計論の理論問題
  • 財務会計論(理論)の復習
  • 財務会計論(計算)の復習