工業簿記とは
簿記一巡の手続き
簿記一巡
簿記の仕事は、日々の手続きと、決算時の手続きの2種類に分かれる。
- 日々の手続き
- 取引
- 仕分け(仕訳帳)
- 転記(総勘定元帳)
- 決算の手続き
- 残高試算表決算整理前
- 決算整理仕訳(残高試算表決算整理後)
- 決算振替仕訳(貸借対象表 B/S、損益計算書 P/L)
用語解説
日々の取引
- 取引:資産、負債、純資産、収益、費用の増減変化をもたらす事象。
- 仕訳帳:勘定口座に記入しやすいように、取引を借方項目と貸方項目に分けて記述し、まとめたもの
- 総勘定元帳:仕訳に基づき、勘定口座に転記した取引を帳簿にまとめたもの
決算の手続き
- 決算整理前残高試算表:勘定口座の残高を集計し、期中仕訳の勘定転記を検証するための表
- 決算整理仕訳:各勘定残高に一定の修正を加えるための仕訳。例えば、商品の評価、棚卸減耗損、貸倒引当金の設定など。期中仕訳とは別物
- 決算整理後残高試算表:決算整理仕訳の勘定転記を検証するための表
- 決算振替仕訳:各勘定口座を締切るための仕訳。損益振替、資本振替、残高確定
- 損益計算書 P/L、貸借対照表 B/S:起業の正しい経営成績と財務状態を報告するための書類。これらは財務諸表とも呼ばれる。
財務諸表
財務諸表とは
財務諸表とは、企業の経営活動の結果を報告するために作成する書類。主に 3 種類ある。
- 損益計算書(Profit and Loss statement: P/L):一定期間の経営成績をあらわす。
- 貸借対照表(Balance Sheet: B/S):一定期日の財政状態をあらわす。
- 株主資本等変動計算書:一定期間の純資産の変動額をあらわす。
損益計算書の作り方
損益計算書は、一定期間の経営成績をあらわす。
- 売上総利益 = $売上高 - 売上原価$
- 営業利益 = $売上総利益 - (販売費 + 一般管理費)$
- 経常利益 = $営業利益 + 営業外収益 - 営業外費用$
- 当期純利益 = $経常利益 + 特別利益 - 特別損失 - 法人税等$
貸借対照表の作り方
貸借対照表は、一定期日の財政状態をあらわす。
資産の部、負債の部、純資産の部の三区分に分ける
- 資産の部
- 流動資産 ex)売掛金
- 固定資産 ex)土地
- 負債の部
- 流動負債 ex)支払手形
- 固定負債 ex)退職給付引当金
- 純資産の部
- 株主資本
- 資本金
- 資本剰余金 ex)資本準備金
- 利益剰余金 ex)利益準備金
- 評価・換算差額等 ex)その他有価証券評価差額金
株主資本等変動計算書の作り方
株主資本等変動計算書は、一定期間の純資産の変動額をあらわす。
- 貸借対照表の純資産の部を、株主資本と評価・換算差額等の2 区分に分ける。
- それぞれを当期首残高、当期変動額、当期期末残高の 3 区分に分ける。
工業簿記概要
工業簿記とは
- 工業簿記とは、製造業に使われる簿記のこと。ex)工場、造船所等
- 商業簿記は、商品売買業に使われる簿記。ex)スーパー、コンビニ等
工業簿記に登場する主な費用・用語
販売価格
- 利益
- 総原価
- 販売費および一般管理費:発送費、広告費、本社の従業員の給料など
- 製造原価:製品を作るのにかかった費用
- 製造間接費
- 製造直接費
- 材料費:総合減価計算(大量生産をするときの原価計算)に繰り入れられる費用
- 労務費:個別原価計算(少量の受注生産をするときの原価計算)に繰り入れられる費用
- 経費
仕掛品とは
- 仕掛品:製品を作っている途中のモノ
- 製品:製造作業が完了した完成品のこと
材料費
- 直接材料費:特定の製品を作るために必要な材料費
- 主要材料費:ex)鋼板
- 購入部品費:ex)タイヤ
- 間接材料費:各製品に共通して必要な材料費
- 補助材料費:ex)燃料
- 消耗品費:ex)軍手
- 消耗工具器具備品費:ex)ハンマー
材料費の仕訳
材料費の仕訳
- 材料を購入したとき:
材料 100/現金 100
- 材料(鋼板など)を直接材料費として使ったとき:
仕掛品 150/材料 150
- 材料(ハンマーなど)を間接材料費として使ったとき:
製造間接費 200/材料 200
登場する勘定科目まとめ
- 資産勘定:材料、仕掛品、現金
- 費用勘定:製造間接費
材料勘定の記入
- 材料は資産勘定なので、左側に位置する勘定科目
- 材料の増加と月初有高は材料勘定の左側に記入
- 材料の減少と月末有高は材料勘定の右側に記入
材料の消費単価
2 つの計算方法
- 先入れ先出し法:先に買った材料から先に使ったと仮定して、消費された材料の原価を計算する方法
- 平均法:
- 総平均法:月末に平均価格を計算
- 移動平均法:買った都度平均価格を計算
材料の消費数量
2 つの記録方法
- 継続記録法:材料の購入・消費の度に記録
- 棚卸計算法:月末に材料倉庫に残っている材料を実際に数えて、計算式で材料の消費数量を把握する方法。
$$消費数量=月初在庫量+当月受入量-実地棚卸数量$$
棚卸減耗費
棚卸減耗費の計算方法
- $$棚卸減耗損=継続記入法期末残高-棚卸計算法期末残高$$
棚卸減耗費の仕訳
- 製造間接費を使用する
製造間接費 5,000/材料 5,000
予定消費単価
予定消費単価とは
予定消費単価:あらかじめ決めておいた材料の消費単価のこと。
予定消費単価の仕訳
仕掛品 2,500/材料 2,500
材料消費価格差異
$$材料消費価格差異=予定消費額ー実際消費額$$
- 不利差異(借方差異):原価差異が △ の場合
材料消費価格差異 1,800/材料 1,800
- 有利差異(貸方差異):原価差異が+の場合
材料 1,000/材料消費価格差異 900
労務費
直接労務費と間接労務費
- 直接労務費:直接工の直接作業時間
- 間接労務費:直接工の直接作業時間以外
労務費の仕訳
- 月初めの再振替仕訳
未払賃金 220/賃金 220
- 賃金を支払ったときの仕訳
賃金 620/預り金 120
現金 500 - 月末に未払賃金を計上したときの仕訳
賃金 200/未払賃金 200
- 直接労務費を仕掛品に振り替える仕訳
仕掛品 500/賃金 500
- 間接労務費を製造間接費に振り替える仕訳
製造間接費 100/賃金 100
予定賃率(労務費)
予定賃率のメリット
- 労務費の賃率が固定されるから、労務費の賃率変動の影響を排除できる。
- 月末まで待たずに計算できる
予定賃率の仕訳
仕掛品 400,000/賃金 400,000
賃率差異
$$賃率差異=予定賃金消費額ー実際賃金消費額$$
- 不利差異(借方差異):原価差異が △ の場合
賃金差異 5,000/賃金 5,000
- 有利差異(貸方差異):原価差異が+の場合
賃金 10,000/賃金差異 10,000
経費
用語:直接経費・間接経費とは
- 直接経費:特定の製品を作るために必要な経費(2 つ)
- 外注加工費:外部の会社に加工を依頼したときの費用
- 特許権使用料:他の会社の特許を使用した時の使用料
- 間接経費:各製品に共通して必要な経費。ex)減価償却費、水道光熱費、保険料、修繕費、棚卸減耗損
仕訳:直接経費と間接経費
- 直接経費の場合:
- 直接経費の支払い
外注加工費 2,000/当座預金 2,000
- 直接経費の仕掛品への振り替え
仕掛品 2,000/外注加工費 2,000
- 直接経費の支払い
- 間接経費の場合:
- 間接経費の支払い
水道光熱費 10,000/現金 10,000
- 間接経費の製造間接費への振り替え
製造間接費 10,000/水道光熱費 10,000
- 間接経費の支払い
4 種類の経費
- 支払経費:外注加工費(直接経費)、修繕費(間接経費)
- 月割経費:工場建物の原価償却(間接経費)、賃借料(間接経費)
- 測定経費:水道光熱費(間接経費)
- 発生経費:棚卸減耗損(間接経費)
製造直接費と製造間接費のまとめ(材料費、労務費、経費)
表(材料費、労務費、経費)
製造直接費 | 製造間接費 | |
---|---|---|
材料費 | ・主要材料費 ・購入部品費 |
・補助材料費 ・消耗品費 ・消耗品工具備品費 |
労務費 | ・直接工賃金(直接作業時間) | ・直接工賃金(間接作業時間、手待時間) ・間接高賃金 ・事務員や工場長の給料 ・アルバイトの給料 |
経費 | ・外注加工費 ・特許権使用料 |
・減価償却費 ・水道光熱費 ・保険料 ・修繕費、修繕引当金繰入額 ・棚卸減耗費 ・食堂の費用 |
5 種類の製造直接費(材料費、労務費、経費)
製造直接費は次の5 つだけ。あとはすべて製造費。
- 主要材料費(素材費・原料費)
- 購入部品費
- 直接工賃金(直接作業時間)
- 外注加工費
- 特許権使用料
製造間接費
製造直接費と製造間接費の振り分け
賦課(直課)
賦課(直課):製造直接費を各製品の原価に振り分けること。
配賦
配賦:製造間接費を各製品に振り分けること。
配賦基準
配賦基準:製造間接費をどのような割合で知品に配賦するのか。
製造間接費の仕訳
手順
- 間接材料費、間接労務費、間接経費を製造間接費に振り替える。
- 製造間接費を仕掛品に配賦する。
予定配賦率
予定配賦率のメリット2つ
- 製造間接費の配賦率が固定されるので、製造間接費の変動の影響を排除できる
- 月末まで待たずに計算できる
予定配賦率を使った製造間接費の計算方法
- 予定配賦額=予定配賦率✖ 実際配賦基準
- 予定配賦率=年間予算額 ÷ 基準操業度(年間予定作業時間)
仕訳:製造間接費を仕掛品に予定配賦したとき
- 当月の実際操業度:200 時間
- 年間の製造間接費予算:300,000 円
- 年間の基準操業度:2,000 時間
解き方:
- 予定配賦率を計算
300,000÷2,000=@150
- 製造間接費を仕掛品に振り替え
@150✖200=30,000 円
仕掛品 30,000/製造間接費 30,000
製造間接費配賦差異
製造間接費配賦差異:製造間接費の予定配賦額と実際発生額の差額
実際原価計算の原価差異の分析
実際原価計算と標準原価計算の違い
- 標準配賦額=標準配賦率 ✖標準操業度
- 実際配賦額=(実際配賦率 or 予定配賦率) ✖実際数量
実際原価計算の原価差異の分析方法
- 標準原価計算における製造間接費の原価差異の分析方法と同じく、シュラッター図を作成する
- ただし、標準操業度は記入しない。実際操業度、基準操業度のみ記入する。
- その結果、能率差異は発生しない
勘定記入と財務諸表
製造原価報告書
製造原価報告書とは
製造原価報告書:製品を作るためにかかった原価が書いてある書類。
製造原価報告書の 2 種類の書き方
- 材料費、労務費、経費で分ける形式
- 製造直接費、製造間接費で分ける形式
製造間接費の部門別計算
製造間接費の 3 つの配賦の種類
1 次配賦
部門共通費を部門個別費に振り分けること。
- 部門共通費:共通して発生した製造間接費のこと。ex)工場の建物の減価償却費
- 部門個別費:特定の部門で発生した製造間接費のこと。ex)加工部門の間接工賃金、調理部門間接材料費
2 次配賦
補助部門の製造間接費を製造部門に振り分けること。
- 制帽部門:製品を作っている部門のこと。
- 補助部門:他の製造部門のサポートを行っている部門のこと。ex)事務など
3 次配賦
製造部門の製造間接費を製品へ分けること。
配賦の全体像
- 1 次配賦:部門共通費 → 部門個別費(製造部門と補助部門がある)
- 2 次配賦:補助部門 → 製造部門
ここまでが製造間接費
- 3 次配賦:製造部門 → 仕掛品
直接配賦法と相互配賦法
製造間接費の2 次配賦は、直接配賦法と相互配賦法の 2 種類の方法がある。
直接配賦法
直接配賦法は、補助部門費を、製造部門だけに配賦する方法。配賦の手順が1 回。
相互配賦法
相互配賦法は、補助部門費を、製造部門と他の補助部門にも配賦刷る方法。配賦の手順が2 段階。
個別原価計算
個別原価計算とは
個別原価計算とは、オーダーメイドの製品を作るときに使う原価計算方法。大量生産ができず、手間がかかり、原価価格が高くなる。
個別原価計算の特徴
- 受注生産で使われる
- 一つ一つの製品がオーダーメイド
- 例えば、建物や船など
製造指図書と原価計算表
製造指図書とは
製造指図書とは、一つ一つの製品ごとに、注文内容とかかった費用が書いてある紙。
原価計算表とは
原価計算表とは、各製品の製造原価を集計した表のこと。備考欄には、月末の作業の状況を書く。
仕損品
仕損とは
仕損とは、製造している途中で失敗すること。簿記 2 級では、失敗したけれど補修すれば直るパターンが出題される。
仕損品が発生した場合の原価計算表と仕訳
- 原価計算表:補修指図書で計上した仕損費を、その製品のもとの原価計算表に振り替える。
- 仕損費の仕訳:
仕掛品(No.n) 3,000/仕掛品(No.n-2) 3,000
個別原価計算の仕訳
個別原価計算の場合、原価計算表をもとに、賦課(直課)・配賦の仕訳をする問題が出題されることがある。
このような問題が出題されたとき、原価計算表のデータにしたがって、仕訳をしていく。原価計算表をもとに、最低 4 つ、最大 6 つの仕訳をすることになる。
- 直接材料費から賦課(必須)
- 直接労務費から賦課(必須)
- 直接経費から賦課(必須)
- 製造間接費から配賦(必須)
- 仕掛品の製品への振り替え(月末に製品が完成している場合)
製品 1,000/仕掛品 1,000
- 製品の売上原価への振り替え(月末に製品を引渡済の場合)
売上原価 1,000/製品 1,000
総合原価計算
総合原価計算とは
総合原価計算とは、一つの製品を大量生産する場合に使う原価計算方法。
総合原価計算では、製造原価を直接材料費と加工費の 2 つに分けて計算する。
加工費とは
加工費とは、加工が進むにつれて増える製造原価のこと。
- 直接材料費:直接材料費
- 加工費:直接労務費+直接経費+製造間接費
総合原価計算において出題が想定されるパターン一覧(総合原価計算)
- 計算方法
- 先入先出法
- 平均法
- 材料の追加投入
- 無し
- 作業途中での追加投入
- 平均的に投入
- 仕損
- 無し
- 完成品原価に含めて処理
- 完成品原価と月末仕掛品に含めて処理
- 発生点不明の時の処理
- 種類
- 工程別
- 組別
- 等級別
以上、計算方法、材料の追加投入、仕損、種類の 4 つの変数があるので、図示するには 5 次元世界が必要。
考えられる組み合わせは、2✖3✖4✖3 = 72通り。(現時点で)
総合原価計算の基本
先入先出法による仕掛品計算(総合原価計算)
次の 6 つのステップをふむ
- 図で状況を整理
- 材料費と加工費の仕掛品の BOX 図を別々に書く
- 問題文の情報を BOX 図に書き込む
- 加工費の月初の個数と月末の個数を計算し、投入の個数を(完成品の個数+月末の個数ー月初の個数)でもとめる
- 材料費と加工費で、それぞれの月末の仕掛品原価を(今期投入金額÷今期投入数✖ 月末の個数)でもとめる
- 完成品原価を(月初仕掛品+今期投入金金額ー月末の仕掛品原価)でもとめる。
平均法による仕掛品計算(総合原価計算)
次の 6 つのステップをふむ
- 図で状況を整理
- 材料費と加工費の仕掛品の BOX 図を別々に書く
- 問題文の情報を BOX 図に書き込む
- 加工費の月初の個数と月末の個数を計算し、投入の個数を(完成品の個数+月末の個数ー月初の個数)でもとめる。平均法の場合、個数の合計と、仕掛品の合計をそれぞれ計算する。
- 材料費と加工費で、それぞれの月末の仕掛品原価を(仕掛品の合計÷個数の合計✖ 月末の個数)でもとめる
- 完成品原価を(仕掛品の合計ー月末の仕掛品原価)でもとめる。
材料の追加投入がある場合の総合原価計算
作業途中での材料の追加投入があったときの仕掛品計算
ポイント
材料の追加投入時期と未完成品の進捗度によって、追加投入する材料費が、
- 前期に投入されたものか
- 今期に投入したものか
- 来期に投入する予定のものか
を判断する。
材料の追加投入が、いつ行われたか意識すること。
- 月初:
- 投入済み:未完成品進捗度(%)<追加投入時期(%)
- 投入前:未完成品進捗度(%)> 追加投入時期(%)
- 月末:
- 投入済み:未完成品進捗度(%)>追加投入時期(%)
- 投入前:未完成品進捗度(%)<追加投入時期(%)
仕掛品計算方法
手順は普通の時と基本的に同じ。違う部分のみ太字にする。
最初から投入している材料を材料 A、追加投入する材料を材料 Bとする。
先入先出法の仕掛品計算
- 図で状況を整理
- 材料費 A と加工費と材料費 Bの仕掛品の BOX 図を別々に書く
- 問題文で与えられた情報を BOX 図に書き込む
- 加工費の月初の個数と月末の個数を計算し、投入の個数を(完成品の個数+月末の個数ー月初の個数)でもとめる
- 材料費 B の月初の個数と月末の個数を計算し(前節のポイント参照)、投入の個数を(完成品の個数+月末の個数ー月初の個数)でもとめる
- 材料費 A と加工費と材料費 Bで、それぞれの月末の仕掛品原価を(今期投入金額 ÷ 今期投入数 ✖ 月末の個数)でもとめる
- 材料費 A と加工費と材料費 Bで、完成品原価を(月初仕掛品+今期投入金金額ー月末の仕掛品原価)でもとめる。
平均法の仕掛品計算
- 図で状況を整理
- 材料費 A と加工費と材料費 Bの仕掛品の BOX 図を別々に書く
- 問題文で与えられた情報を BOX 図に書き込む
- 加工費の月初の個数と月末の個数を計算し、投入の個数を(完成品の個数+月末の個数ー月初の個数)でもとめる。平均法の場合、個数の合計と、仕掛品の合計をそれぞれ計算する。
- 材料費 B の月初の個数と月末の個数を計算し(前節のポイント参照)、投入の個数を(完成品の個数+月末の個数ー月初の個数)でもとめる。平均法の場合、個数の合計と、仕掛品の合計をそれぞれ計算する。
- 材料費 A と加工費と材料費 Bで、それぞれの月末の仕掛品原価を(仕掛品の合計 ÷ 個数の合計 ✖ 月末の個数)でもとめる
- 材料費 A と加工費と材料費 Bで、完成品原価を(仕掛品の合計ー月末の仕掛品原価)でもとめる。
材料を平均的に追加投入したときの仕掛品計算(総合原価計算)
ポイント
平均的に追加投入した材料費は、加工費と同じように計算する。つまり、月初・月末それぞれにおいて、未完成品の進捗度に応じて未完成品の個数を計上する。
仕掛品計算方法
手順は普通の時と基本的に同じ。違う部分のみ太字にする。
最初から投入している材料を材料 A、追加投入する材料を材料 Bとする。
先入先出法の仕掛品計算
- 図で状況を整理
- 材料費 A と加工費と材料費 Bの仕掛品の BOX 図を別々に書く
- 問題文で与えられた情報を BOX 図に書き込む
- 加工費の月初の個数と月末の個数を計算し、投入の個数を(完成品の個数+月末の個数ー月初の個数)でもとめる
- 材料費 B の月初の個数と月末の個数を計算し(前節のポイント参照、加工費と個数は同じ)、投入の個数を(完成品の個数+月末の個数ー月初の個数)でもとめる
- 材料費 A と加工費と材料費 Bで、それぞれの月末の仕掛品原価を(今期投入金額 ÷ 今期投入数 ✖ 月末の個数)でもとめる
- 材料費 A と加工費と材料費 Bで、完成品原価を(月初仕掛品+今期投入金金額ー月末の仕掛品原価)でもとめる。
平均法の仕掛品計算
- 図で状況を整理
- 材料費 A と加工費と材料費 Bの仕掛品の BOX 図を別々に書く
- 問題文で与えられた情報を BOX 図に書き込む
- 加工費の月初の個数と月末の個数を計算し、投入の個数を(完成品の個数+月末の個数ー月初の個数)でもとめる。平均法の場合、個数の合計と、仕掛品の合計をそれぞれ計算する。
- 材料費 B の月初の個数と月末の個数を計算し(前節のポイント参照、加工費と個数は同じ)、投入の個数を(完成品の個数+月末の個数ー月初の個数)でもとめる。平均法の場合、個数の合計と、仕掛品の合計をそれぞれ計算する。
- 材料費 A と加工費と材料費 Bで、それぞれの月末の仕掛品原価を(仕掛品の合計 ÷ 個数の合計 ✖ 月末の個数)でもとめる
- 材料費 A と加工費と材料費 Bで、完成品原価を(仕掛品の合計ー月末の仕掛品原価)でもとめる。
仕損と減損
仕損とは
仕損とは、失敗してしまうこと。失敗してしまった不合格品のことを仕損品という。
減損とは
減損とは、蒸発などにより、原料が減ってしまうこと。
仕損と減損の違い
- 仕損
- 失敗すること
- 失敗したモノはのこる
- 評価額がある。仕損品を売った場合の売却額を仕損品の評価額という。
- 減損
- モノが減ること
- モノは残らない。
- 評価額がない。
度外視法
度外視法とは、仕損品にかかった原価を別個に計算せず、仕損の発生を無視して計算する方法。
簿記 2 級では、度外視法を使った仕損の処理しか出題されない。
6 つの仕損の処理方法(総合原価計算)
先入先出法 | 平均法 | |
---|---|---|
完成品原価に含めて処理 | ① | ② |
完成品原価と月末仕掛品原価に含めて処理 | ③ | ④ |
発生点不明の時 | ⑤ | ⑥ |
仕損の処理 ① 完成品原価に含めて処理(総合原価計算)
どういう時に完成品に含めて処理するか
仕損が月末仕掛品の加工進捗度よりもあとに発生した場合、仕損を完成品原価に含めて処理する。
仕損計算方法
ポイント
手順は先入先出法と平均法それぞれで、普通の総合原価計算における仕掛品計算の手順と同様。
ただ、仕損を BOX 図に書き足し、材料費の中で(加工費はいじらない)、完成品原価から仕損品の評価額を引く。こうすることにより、仕損品が出来上がるまでにかかった費用は、完成品原価に全て含まれる。
仕損の処理 ② 完成品原価と月末仕掛品原価に含めて処理(総合原価計算)
どういう時に完成品と月末仕掛品原価に含めて処理するか
仕損が月末仕掛品の加工進捗度よりも後に発生した場合、仕損を完成品原価と月末仕掛品原価の両方に含めて処理する。
仕損計算方法
ポイント
手順は先入先出法と平均法それぞれで、普通の総合原価計算における仕掛品計算の手順と同様。
ただ、
- 仕損を BOX 図に書き足す。
- 材料費・加工費ぞれぞれ で、書き足した仕損の個数を消し、投入数量から仕損品の数量をマイナスする。
- 材料費の投入額から仕損品の評価額をマイナスする。
こうすることにより、、仕損品が出来上がるまでにかかった費用は、完成品原価と月末仕掛品原価に振り分けられる。
仕損の処理 ③ 仕損の発生点が不明の場合
どういう時に発生点が不明の仕損の処理をするか
文字通り、仕損の発生点が不明のとき。
仕損の発生点が不明の場合、仕損を完成品原価と月末仕掛品原価の両方に含めて処理する。
仕損の処理方法
ポイント
仕損が月末仕掛品の加工進捗度よりも後に発生し、完成品原価と月末仕掛品原価に含めて処理する場合と同じように処理する。
しかし加工費の計算においては、仕損品に投入された加工費の量が分からないので、結果的に一個も仕損が発生しなかったときの総合原価計算と同じ計算方法になる。
副産物と作業屑
副産物とは
副産物とは、製品を作るときと一緒に発生し、売ることができるモノのこと。
作業屑とは
作業屑とは、製品を作っている途中に出たクズで、売ることができるモノのこと。
副産物と作業屑の計算方法
副産物も作業屑も、仕損の処理方法と同じ。問題文に計算方法の指示があるはずなので、それに従う。
工程別・組別・等級別の総合原価計算
工程別総合原価計算とは
工程別総合原価計算とは、完成までに 2 つ以上の工程がある製品を作る場合の総合原価計算のこと。
組別総合原価計算とは
組別総合原価計算とは、同じ作業工程で違う種類の製品を作る場合の総合原価計算のこと。
等級別総合原価計算とは
等級別総合原価計算とは、同じ種類の製品でサイズが違う製品を作っている場合の総合原価計算のこと。
工程別総合原価計算
工程別総合原価計算の特徴
- 完成までに2 つ以上の工程がある。
- 工程の途中でもそのまま外部に販売できるモノを半製品という。
工程別総合原価計算に関する用語
- 前工程費:前の工程の完成品原価のこと。
- 累加法:第 1 工程の完成品原価を第 2 工程に振り替え、前工程費として計算する方法。
工程別総合原価計算の解き方
第 1 工程品の完成品が第 2 工程品の前工程費(直接材料費と同じ扱い)になる。
- 第 1 工程の BOX 図を作成し、第 1 工程完成品原価と第 1 工程月末仕掛品原価を計算する。
- 第 1 工程完成品原価を、投入個数の割り合いに応じて、第 2 工程の原材料として使った費用と半製品として売上原価に振り替える費用に分けて計算する。
- 第 2 工程の BOX 図を作成し、計算した原材料費をそのまま記入。
- 第 2 工程完成品原価と第 2 工程月末仕掛品原価を計算する。
組別総合原価計算
組別総合原価計算の特徴
- 製品の種類ごとに原価を計算する
- 同じ作業工程で違う種類の製品をつくるときに使う
組別総合原価計算の解き方
共通している加工費を直接作業時間(違う場合もある?)を配賦基準として分けることがポイント。
- 共通している加工費を直接作業時間を配賦基準として振り分ける。
- 各製品でそれぞれBOX 図を作成する。
- 各製品でそれぞれ、月末仕掛品原価と完成品総合原価を計算する。
等級別総合原価計算
等級別総合原価計算の特徴
- 同じ種類の製品でサイズが違う製品を作っているときに使う。
- 商品の重量で、実際個数を調整する。
等級別総合原価計算に関する用語
- 等価係数:各製品にどれくらいの割合で量が入っているかの比率。
- 積数:積数=完成品数量 ✖ 等価係数
等級別総合原価計算の解き方
手順は通常と全く同じ。積数を使って、共通の完成品原価を各製品に分ける。
- BOX 図を通常通り書く
- 積数を使って、共通の完成品原価を各製品に分ける。
- 等級別の完成品単位原価もついでに求める。
標準原価計算
標準原価計算とは
- 標準原価計算:あらかじめ目標となる原価(標準原価)を決めて、原価を計算すること。⇔ 実際原価計算:あらかじめ目標となる原価で計算する原価計算。
- 原価差異の分析:標準原価と実際に発生した原価(実際原価)を比較し、差額を分析すること。
標準原価と実際原価の違い
- 標準原価=標準単価 ✖標準数量
- 実際原価=(実際単価 or 予定単価) ✖実際数量
実際単価の場合、原料・加工費の単価は予定価格を使うこともあるが、一つの商品に必要な原料・加工費の数量は実際数量を使う。一方、標準原価は単価だけではなく、数量も目標値で計算する。
標準原価カードとは
- 標準原価カードとは、製品 1 個当たりの標準原価をまとめた紙
- 基本的に、
- 直接材料費
- 直接労働費
- 製造間接費
の 3 つが書かれている。直接経費が書かれている標準原価カードはめったに出題されないらしい。
シングル・プラン
シングル・プランとは
シングル・プランとは、原価差異を材料勘定、賃金勘定、製造間接費勘定で計算する記帳方法。
シングル・プランを使って標準原価計算をする方法
- 標準原価カードを問題文に沿って作成する。
- 材料費・加工費でそれぞれBOX 図を作成し、月初・投入・完成・月末の個数をそれぞれで記入する。
- 標準原価カードで求めた単価に沿って、材料費・加工費それぞれ月初・投入・完成・月末の標準原価を計算する
- 計算した標準原価を仕掛品勘定に記入。
- 材料勘定・賃金勘定・製造間接費勘定のそれぞれで、実際発生額と標準原価による仕掛品の原価差異を計算する。
- 材料勘定・賃金勘定・製造間接費勘定のそれぞれで計算した原価差異を売上原価勘定に振り替える。
パーシャル・プラン
パーシャル・プランとは
パーシャル・プランとは、原価差異を仕掛品勘定で計算する記帳方法。
パーシャル・プランを使って標準原価計算をする方法
- 標準原価カードを問題文に沿って作成する。
- 材料費・加工費でそれぞれBOX 図を作成し、月初・投入・完成・月末の個数をそれぞれで記入する。
- 材料費・加工費それぞれ、月初・投入・完成・月末すべて実際原価を記入する。
- 仕掛品勘定に投入した材料・賃金・製造間接費を実際原価で記入する。
- 完成品原価は標準原価カードをつかって、標準原価 ✖ 完成個数で計算する。
- 仕掛品の右側(月初・材料・賃金・製造間接費)と、左側(製品・月末)で生じた差異を原価差異として計算する。
原価差異の分析とは
2 種類の原価差異
- 標準原価計算の原価差異:標準原価と実際原価の差額のこと
- 実際原価計算の原価差異:予定原価と実際原価の差額のこと
- 材料消費価格差異
- 賃率差異
- 固定予算の予算差異・操業度差異
- 変動予算の予算差異・操業度差異
原価差異を分析する目的
標準原価と実際原価の差額の原因を把握し、ムダや効率を改善するために行う。
3 種類ある標準原価計算の原価差異
- 標準原価計算の原価差異:標準原価と実際原価の差額のこと
- 直接材料費差異
- 直接労務費差異
- 製造間接費差異
原価差異に関する用語
- 有利差異・貸方差異:標準原価>実際原価のとき
- 不利差異・借方差異:標準原価<実際原価のとき
直接材料費差異の分析
直接材料費差異を分析する 2 つの目的
- 材料の値上がり、値下がりの影響を把握する
- 材料の使いすぎを把握する
2 種類の直接材料費差異
- 価格差異:標準単価と実際単価の違いから生じる
- 数量差異:標準消費量と実際消費量の違いから生じる
- 価格差異+数量差異=直接材料費差異
直接材料費差異の分析方法
- 材料費の BOX 図を作成し、今期投入数を計算。
- 差異分析の図を作成
価格差異 実際原価 数量差異 - 価格差異・数量差異をそれぞれ計算
直接労務費差異の分析
直接労務費差異を分析する 2 つの目的
- 賃金の値上がり、値下がりの影響を把握できる
- 作業員がサボっているかどうか把握できる
2 種類の直接労務費差異
- 賃率差異:標準賃率と実際賃率の違いから生じる
- 時間差異:標準時間と実際時間の違いから生じる
- 賃率差異+時間差異=直接労務費差異
直接労務費差異の分析方法
- 材料費の BOX 図を作成し、今期投入数を計算。
- 差異分析の図を作成
賃率差異 実際原価 時間差異 - 賃率差異・時間差異をそれぞれ計算
製造間接費差異の分析
製造間接費差異を分析する 3 つの目的
- 当月の生産ラインの稼働時間が予定通りかだとうかを把握できる
- 生産ラインの能率が悪いかどうか把握できる
- 製造間接費の予算より、実際に発生した製造間接費が多かったか少なかったかどうか把握できる
製造間接費差異に関する用語
- 実際操業度:実際に工場が月間に稼働した時間
- 基準操業度:1 年間の工場が稼働する時間の基準値。(月間基準操業度=基準操業度 ÷12)
- 標準操業度:標準時間を使った操業度。
- 製造間接費予算額:1 年間でどれだけの製造間接費が発生するかに見積もり。
- 変動予算(公式法変動予算):操業度(月間の稼働した時間)によって金額が変わる予算。固定費と変動費に分けて考える。
B=VC(x) + FC B=予算, VC=変動費, FC=固定費
- 固定予算:操業度(月間の稼働した時間)に関わらず、予算の金額を固定的に決めてしまう予算のこと。
3 種類の製造間接費差異
- 予算差異:実際発生額と予算額との差から生じる
- 操業度差異:実際操業度と基準操業度の差から生じる
- 能率差異:標準操業度と実際操業度の差から生じる
- 製造間接費差異=予算差異+操業度差異+能率差異
予算差異
予算差異とは
予算差異とは、製造間接費の実際発生額と予算額との差からでる差異。
予算差異の計算方法
予算差異=予算許容額ー実際発生額
操業度差異
操業度差異とは
操業度差異とは、実際操業度と基準操業度がズレることで発生する差異のこと。
操業度差異の計算方法
操業度差異=固定比率ー(実際操業度ー基準操業度)
固定比率=固定費予算額 ÷ 基準操業度\$\$
能率差異
能率差異とは
能率差異とは、実際操業度と基準操業度がズレることで発生する差異のこと。機械の能率が低下したかどうか把握できる。
2 種類の能率差異
- 変動費能率差異:
変動費能率差異=変動比率 ✖(標準操業度ー実際操業度)
固定比率=固定費予算額 ÷ 基準操業度 - 固定費能率差異:
固定費能率差異=固定比率 ✖(標準操業度ー実際操業度)
変動比率=変動予算額 ÷ 基準操業度
能率差異の計算方法
操業度差異=固定比率ー(実際操業度ー基準操業度)
固定比率=固定費予算額 ÷ 基準操業度
製造間接費差異の分析方法
シュラッター図
製造間接費差異の計算にはシュラッター図を使う。
手順
- 加工費の BOX 図を作成し、今月の投入数を計算する。
- シュラッター図を書く。(よのそひじき)
- よ:予算差異
- の:能率差異
- そ:操業度差異
- ひ:標準操業度
- じ:実際操業度
- き:基準操業度
- シュラッター図に問題文の情報を埋めていく。
- 当月の実際発生額
- 標準操業度
- 実際操業度
- 基準操業度
- 変動比率
- 固定比率
- 操業度差異、能率差異、予算差異を計算
- 製造間接費差異を計算
能率差異の種類
4 分法 | 3 分法 ① | 3 分法 ② |
---|---|---|
予算差異 | 予算差異 | 予算差異 |
変動費能率差異 | 能率差異 | 能率差異 |
固定費能率差異 | 能率差異 | 操業度差異 |
操業度差異 | 操業度差異 | 操業度差異 |
直接原価計算
直接原価計算とは
- 直接原価計算とは、原価を変動費と固定費に分けて考える原価計算のこと
- 個別原価計算、総合原価計算、標準原価計算とは全く別
CVP 分析
CVP 分析とは
- C = Cost、V = Volume、P = Profit
- 翌年の予算を決めるとき、新しい事業を行うときに利用される。
CVP 分析に関する用語
- 損益分岐点:利益が 0 円になる点のこと。
- 損益分岐点売上高:損益分岐点における売上高。
CVP 分析の方法
- $$売上ー変動費ー固定費=利益$$
- この 1 次式を解いてあげればよい
損益分岐点における売上高の計算方法
- CVP 分析において、利益が0になる点を解いてあげる
- 売上@100/個、変動費@20/個、固定費 800 円の場合
- $$100x-20x-800=0\ 80x = 800\ x=10\ \therefore 売上高=100x=1,000$$
目標の営業利益を達成するための売上高を計算する
- CVP 分析において、利益が営業利益の目標になる点を解いてあげる
- 売上@100/個、変動費@20/個、固定費 800 円、営業利益の目標が 1,600 円の場合
$$100x-20x-800=1,600\ 80x = 2,400\ x=30\ \therefore 売上高=100x=3,000$$
目標の営業利益率が出てくる場合の計算
- CVP 分析の式と、営業利益率の式を連立して解いてあげる
- $$営業利益率=\frac{営業利益}{売上高}✖100$$
- 売上@100/個、変動費@20/個、固定費 900 円、営業利益率 50%の場合
$$
100x-20x-900=y\
50=\frac{y}{100x}✖100
\end{cases}\ \therefore 80x-900=50x\ 30x=900\ x=30$$
$$
販売費、一般管理費が出てくる場合の計算
- 変動費=変動製造原価+変動販売費
- 固定費=固定製造原価+固定販売費+一般管理費
販売単価がわからない場合
- 変動費が売上高に比例することを利用して計算
- $$売上高変動率=\frac{変動費}{売上高}✖100$$
- 売上高 10,000 円、変動費 6,000 円、固定費 3,600 円だった場合の損益分岐点
$$売上高変動率=\frac{6,000}{10,000}=0.6\ 0.6x-3,600=0\ x=6,000$$
損益分岐点比率と安全余裕率
損益分岐点比率
- 損益分岐点比率とは、目標の売上個数のうち、損益分岐点の個数がどれだけ占めているかを表す比率。
- パーセントであらわす
- 損益分岐点比率=1ー安全余裕率
安全余裕率
- 安全余裕率とは、目標の売上個数が損益分岐点の個数よりどれだけ上回っているかを表す比率。
- パーセントであらわす
- 安全余裕率=1-損益分岐点比率
直接原価計算の損益計算書
直接原価計算の損益計算書の特徴
発生した固定製造原価・固定販売費及び一般管理費がすべて原価として計上される。
直接原価計算の損益計算書の書き方
このようになる
- 売上高
- 変動売上原価
- 変動製造マージン
- 変動販売費
- 貢献利益
- 固定費
- 固定製造原価
- 固定販売費及び一般管理費
- 営業利益
本社工場会計
本社工場会計とは
本社工場会計とは、本社と工場が別の場所にあるなどの理由から、それぞれに帳簿を置いて仕訳すること。
本社工場会計の仕訳
- 商業簿記の本支店会計と同じ
- 勘定科目は、「本社」と「工場」
- 工場から仕訳する(工場の方が勘定科目が少ないから)
- 工場の勘定科目にないものは、本社に振り替える