財務会計論(計算)

事業分離会計その2、企業結合会計その3 (2020年8月16日・財務会計論)

短答式試験まで 279 日

論文式試験まで 368 日

株式交換による完全子会社化(企業結合)

完全子会社とは

  • 100%取得した会社
  • ただ、合併はしていない、別々の企業である

個別財務諸表上の会計処理

  • 取得原価を払込資本の増加額として処理
  • 子会社株式 XXX / 資本金 XXX
              資本剰余金 XXX

連結財務諸表上の会計処理

  • 通常の連結上の子会社化と同じように処理すればよい

共同支配企業の形成(企業結合)

共同支配企業とは

  • 複数の独立した企業によって支配される企業
  • 持分の結合」に該当する
  • 持分法を適用する(仮に保有割合が50%超でも適用する

個別財務諸表上の会計処理

  • 諸負債      XXX / 諸資産 XXX
    評価・換算差額等 XXX
    共同支配企業株式 XXX

連結財務諸表上の処理を直接求める

  • 事業分離会計における、分離先企業が関連会社のときと同じ
  • 新たに取得した事業の処理:
    • ポイント:分離先事業の時価×取得割合で計算する
    • 関連会社株式 XXX / 支払対価 XXX
  • 移転した事業の持分減少分を持分法へ移行する処理:
    • 諸負債   XXX / 諸資産 XXX
      受取対価  XXX / 持分変動損益 XXX
      関連会社株式 XXX

吸収合併による逆取得(企業結合)

考え方

  • 個別上:存続会社、消滅会社ともに簿価で資産・負債・資本を計上
  • 連結上:消滅会社は簿価存続会社は時価で引き継ぐ。ただ、資本金のみ存続会社の簿価を引き継ぐ

連結財務諸表上の会計処理

  • 消滅会社のB/Sを存続会社のB/Sに足し合わせる
  • 増加資本株主資本の額となる。評価・換算差額はそのまま引き継がれる
  • 仕訳:諸資産 XXX / 諸負債 XXX
               その他資本剰余金 XXX
               その他有価証券評価差額金 XXX
  • 容認規定:増加資本は、消滅会社の株主資本の内訳を引き継ぐことができる。(ただ、問題文の指示通りにやれば問題ない)

対価が分離先企業の株式のみで、分離先企業が子会社となった場合の連結上の処理(事業分離会計)

※連結上のあるべき会計処理を直接行う

0%保有から子会社になった場合(一括取得)

  • 2つの処理に分けられる
  • 分離先企業の新規子会社として取得した処理(0%→60%):
    • ポイント:分離先企業を事業分離前の時価評価
    • 仕訳:諸資産 XXX / 諸負債  XXX
         のれん XXX / 支払対価 XXX
                 非支配株主持分 XXX
  • 移転した事業の持分減少分を一部売却として処理(100%→60%):
    • ポイント:移転事業の持分減少を株主資本相当額(簿価)で非支配株主に振り分け
    • 仕訳:受取対価 XXX / 非支配株主持分 XXX
                  資本剰余金   XXX

10%保有から子会社になった場合(段階取得)

  • 2つの処理に分けられる
  • 分離先企業を新規子会社として取得した処理(10%→60%):
    • ポイント:分離先企業を事業分離前の時価評価。事業分離前の子会社株式の帳簿価額との変動額は段階取得に係る差益にする
    • 仕訳:
      その他有価証券評価差額金 XXX / 投資有価証券 XXX
      投資有価証券 XXX / 段階取得に係る差益 XXX
      諸資産 XXX / 諸負債  XXX
      のれん XXX / 支払対価 XXX
              非支配株主持分 XXX
  • 移転した事業の持分減少分を一部売却として処理(100%→60%):
    • ポイント:移転事業の持分減少を株主資本相当額(簿価)で非支配株主に振り分け
    • 仕訳:受取対価 XXX / 非支配株主持分 XXX
                  資本剰余金   XXX

20%保有から子会社になった場合(段階取得・持分法)

  • 2つの処理に分けられる
  • 分離先企業を新規子会社として取得した処理(20%→60%):
    • ポイント:分離先企業を事業分離前の時価評価。事業分離前の子会社の取得後剰余金とのれんは利益剰余金に、保有株の変動額は段階取得に係る差益にする
    • 仕訳:
      投資有価証券 XXX / 利益剰余金ー当期首残高 XXX
      投資有価証券 XXX / 段階取得に係る差益 XXX
      諸資産 XXX / 諸負債  XXX
      のれん XXX / 支払対価 XXX
              非支配株主持分 XXX
  • 移転した事業の持分減少分を一部売却として処理(100%→60%):
    • ポイント:移転事業の持分減少を株主資本相当額(簿価)で非支配株主に振り分け
    • 仕訳:受取対価 XXX / 非支配株主持分 XXX
                  資本剰余金   XXX

60%保有の子会社に事業を移転した場合(追加取得)

  • 2つの処理に分けられる
  • 分離先企業を新規子会社として取得した処理(60%→80%):
    • ポイント:分離先企業を事業分離前の時価評価追加取得割合分、非支配株主持分を減らす
    • 仕訳:
      非支配株主持分 XXX / 支払対価  XXX
      資本剰余金   XXX
  • 移転した事業の持分減少分を一部売却として処理(100%→80%):
    • ポイント:移転事業の持分減少を株主資本相当額(簿価)で非支配株主に振り分け
    • 仕訳:受取対価 XXX / 非支配株主持分 XXX
                  資本剰余金   XXX

対価が分離先企業の株式のみで、分離先企業が関連会社となった場合の連結上の処理(事業分離会計)

※連結上のあるべき会計処理を直接行う

0%保有から関連会社になった場合(一括取得)

  • 2つの処理に分けられる
  • 分離先企業の関連会社として取得した処理(0%→20%):
    • ポイント:分離先企業を事業分離前の時価評価。関連会社株式にはのれんも含まれている
    • 仕訳:関連会社株式 XXX / 支払対価 XXX
  • 移転した事業の持分減少分を連結から持分法への移行としてとして処理(100%→20%):
    • ポイント:分離した事業の資産・負債を連結から切り離す関連会社株式の算定は簿価持分変動損益の算定は簿価と事業時価の差額
    • 仕訳:諸負債  XXX / 諸資産 XXX
         受取対価 XXX / 持分変動損益 XXX
         関連会社株式 XXX
  • 翌期以降は通常の持分法の適用

10%保有から関連会社になった場合(段階取得)

  • 2つの処理に分けられる
  • 分離先企業の関連会社として取得した処理(20%→30%):
    • ポイント:分離先企業を事業分離前の時価評価。関連会社株式にはのれんも含まれている
    • 仕訳:
      関連会社株式 XXX / 支払対価 XXX
  • 移転した事業の持分減少分を連結から持分法への移行として処理(100%→30%):
    • ポイント:分離した事業の資産・負債を連結から切り離す関連会社株式の算定は簿価持分変動損益の算定は簿価と事業時価の差額
    • 仕訳:諸負債  XXX / 諸資産 XXX
         受取対価 XXX / 持分変動損益 XXX
         関連会社株式 XXX
  • 翌期以降は通常の持分法の適用

20%保有から関連会社になった場合(追加取得)

  • 段階取得と全く同じ

予想される問題

  • 株式交換による完全子会社化の問題
  • 共同支配企業の形成の連結上の処理
  • 吸収合併による逆取得の個別上と連結上の処理
  • 株式を対価としたとき、分離先企業が子会社となった場合の連結上の処理
  • 株式を対価としたとき、分離先企業が関連会社となった場合の連結上の処理

今日やったこと

  • 株式交換による完全子会社化(企業結合会計)の論点
  • 共同支配企業(企業結合会計)の論点
  • 吸収合併による逆取得(企業結合会計)の論点
  • 事業分離会計(対価株式、分離先が子会社)の論点
  • 事業分離会計(対価株式、分離先が関連会社)の論点

明日やること

  • 復習
  • 答案練習