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目次
リース料の半年ごとの後払い(リース会計)
考え方
- 半年分の利息を月割計算により算定
会計処理
- 半年複利の年金現価係数に基づいて、リース料の割引現在価値を算定する。
- リース資産計上額を確定
- 半年ごとにリース債務返済表を作り、支払利息と元本返済額を計算する
- 注意:流動資産に計上されるリース債務は、半年後と1年後のものである
リース料の前払い(リース会計)
考え方
- 1回目の支払いは利息がないので、全額元本返済額として処理
- リース資産計上も、第一回目の支払額は割引計算しない。年金現価係数は(n-1)年になる
- 当期分の支払利息は、翌期に払うので、「未払利息」勘定で見越計上する。
- 注意:今年の支払利息は、翌期の前払額に含まれている。
セール・アンド・リースバック取引(リース会計)
考え方
- 目的:資金の調達
- 利益操作の防止のために、セール・アンド・リースバック取引によって得られた売却益は「長期前受収益」勘定に繰延処理し、リース期間に渡って徐々に収益として上げていく。
- 所有権移転ファイナンス・リース取引の場合、リース資産の減価償却費算定時は、当初の取得原価に基づいた残存価額を適用すること。(実際資産が帰ってくるから、残存価額が変更されるのはおかしい)
- 所有権移転外ファイナンス・リース取引の場合、リース資産の減価償却費算定時は、残存価額ゼロである。(手元に残らないから)
- オペレーティング・リース取引の場合、売却損益の繰延べは行わない
リース取引の貸手側の取引(リース会計)
3つの方法
- リース開始日に売上高と売上原価を計上する方法
- 翌期以降の受取利息に該当する額は繰り延べる
- 決算時: 繰延リース利益繰入 XXX / 繰延リース利益 XXX
- 翌期決算時:繰延リース利益 XXX / 繰延リース利益戻入益 XXX
- リース料受取時に売上高と売上原価を計上する方法
- リース債権に当たる額を売上原価として計上する
- リース料受取時:現金預金 XXX / 売上高 XXX
売上原価 XXX / リース債権 XXX
- 売上高を計上せずに受取利息として計上する方法
- リース料受取時:現金預金 XXX / 受取利息 XXX
リース債権 XXX
- リース料受取時:現金預金 XXX / 受取利息 XXX
リース取引における維持管理費相当額(リース会計)
- リース料総額から、維持管理費相当額を控除して、リースの計算をする。
- 維持管理費は毎回定額、別に費用計上する
工事契約の基本(工事契約)
工事契約の考え方
- 売る相手が確定しているので、完成時ではなく、進捗に応じて収益を計上するのが現状に則している
- 顧客の指図に基づいて行うもの(土木・建築・造船等)
- 収益と費用は、工事ごとに個別に対応
- 2つの収益計上基準:工事完成基準・工事進行基準
- 工事契約特有の勘定科目:売上高→完成工事高、売上原価→工事原価
工事進行基準
- 工事進捗度に応じて完成工事高と工事原価を算定
- 工事進捗度=当期実際工事原価÷見積工事原価
- 工事収益=請負金額×工事進捗度ー前期までに計上した工事収益
工事契約の見積もりの変更(工事契約)
考え方
- 過年度の修正は行わず、当期の額で修正する(ストックオプションの意図しない数量の変更と同様)
- 工事収益=新請負契約価額×(当期までの実際工事原価合計/新見積工事原価)ー前期までの工事収益
工事損失引当金
- 見積もりの変更により、将来工事損失が見込まれる場合、工事損失は前もって計上しておく
- 工事損失引当金設定額=工事原価総額ー工事収益総額ーすでに計上された損失+すでに計上された利益
- 設定時:工事原価 XXX / 工事損失引当金 XXX
- 翌期以降の取崩:工事損失引当金 XXX / 工事原価 XXX
- 注意:工事完成基準・工事進行基準で取崩の時期が違う
貸倒懸念債権のキャッシュ・フロー見積法(貸倒引当金)
考え方
- 貸倒懸念債権のうち、債権の元本・利息の受取キャッシュ・フローを合理的に見積もることができるものに適用する。(貸付金)
- 貸倒懸念債権に対して、契約の緩和(利下げ等)を行ったとき、貸付金の割引現在価値が減少するので、割引現在価値の減少分を貸倒引当金に計上する。
- 毎年決算時に、利率変更前と利率変更後の割引現在価値の差額は解消していくので、その分貸倒引当金を取り崩し、受取利息勘定に振り替える
会計処理
- 貸倒引当金設定時:貸倒見積高=債権帳簿価額ー将来CFの割引現在価値
貸倒引当金繰入額 XXX / 貸倒引当金 XXX - 前期末の貸倒引当金=前期末の債権帳簿価額ー前期末債権の将来CFの割引現在価値
- 当期末の貸倒引当金=当期末の債権帳簿価額ー当期末債権の将来CFの割引現在価値
- 貸倒引当金の取崩:取崩額=前期末の貸倒引当金ー当期末の貸倒引当金
貸倒引当金 XXX / 受取利息 XXX
一般債権における貸倒見積高の算定(貸倒引当金)
3パターンの算定方法
- 債権の回収が1年未満
- 債権の回収が1年以上で、債権の期末残高をもとに算定
- 債権の回収が1年以上で、債権の当初元本をもとに算定
予想される問題
- リース会計における半年ごとの後払い・前払い・セール・アンド・リースバック・貸手側・維持管理費の問題
- 工事契約の見積りの変更と工事損失引当金の問題
- 貸倒懸念債権におけるキャッシュ・フロー見積法の問題
- 一般債権における貸倒見積高の算定の問題
今日やったこと
- リース会計の論点
- 工事契約の論点
- 貸倒引当金の論点
明日やること
- 社債・会計上の変更
- 練習問題